モデル | 全長(伸長時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
SCAR-L | 612(838)mm | 3.28kg | 5.56mm×45 | 20/30 | S/F | ベルギー アメリカ |
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FNAC | 629(861)mm | 3.12kg | ||||
HAMR | 685(876)mm | 4.62kg | ||||
SCAR PDW | 520(632)mm | 2.49kg | ||||
SCAR-SC | 536(653)mm | 3.15kg | ||||
SCAR-H | 798(1021)mm | 3.51kg | 7.62mm×51 | 20 | ||
SCAR-H TPR | 1028(1079)mm | 4.84kg | S |
米軍SOCOMが要求したSCAR(Special operation forces Combat Assault Rifles)計画に基づき、FN社が2003年のSOCOMトライアルに合わせて開発した特殊部隊用次世代突撃銃。
SOCOMの要求通りAR15(M16)系統の操作系に加え、5.56mm版の「SCAR-L(Light)」と7.62mm版の「SCAR-H(Heavy)」の二種が用意され、各パーツを共通化した事で操作・整備が同じ手順で行える利点がある。
両モデルとも銃身長が変換可能であり、FN社ではそれぞれSTD(標準バレル)、CQC(ショートバレル)、LB(ロングバレル)とラインナップしている。
動作方式はショートストローク・ガスピストン方式。AR15系と同様のローテイティングボルトによって薬室を閉鎖する。ピカティニーレールをトップに持つレシーバーはハンドガードまで一体化したモノリシック構造で、ハンドガードは3面にレールを備える(下面のレールは銃身基部に固定)。セレクターとマグリリースボタンはアンビ仕様で、チャージングハンドルは左右に付け替え可能になっている。一方、AR15系と異なりチャージングハンドルはボルトキャリアに固定され、射撃の際にも前後動する。ハンドルへの接触防止用として銃身基部付近のレシーバー左右に黒いブロックが設けられているが、マガジンハウジング付近を保持して射撃を行った際、射手が添え手の指をぶつける事例は絶えない模様。
マガジンはLがM16互換、HはFALをベースとした専用のものとなっている。ストックは伸縮・折り畳みが可能で、高さ調節可能なチークピースも標準で備える。折畳みの際は角度が若干オフセットされるため、排莢孔を塞がない。バックアップサイトは前後共に折り畳み式。ガスレギュレーターを備え、サプレッサー使用時にはガス流量を最適化することができる。
また、専用のアドオングレネードランチャーとしてFN40GLが開発されている。M203やAG36と異なり、ハンドガードの交換無しにレールに直接着脱可能となっている。
LとHのアッパーレシーバーを外見から見分けるのは非常に難しいが、Hの方が若干全体として大きいほか、シェルディフレクターはLはレシーバーに対して垂直に突き出た形状なのに対し、Hはレシーバーに沿った平行な形状となっている。使用弾薬についてはマガジンハウジングの形状や、取り付けられているフラッシュハイダーの長さ(5.56mmであれば短い、7.62mmであれば長い)で容易に判別できるが、5.56mmコンバージョンキットを組み込んだ「5.56mm仕様のSCAR-H」も運用されている(後述)ため、一概に「5.56mmだからL」とは言えない状態にある。
米軍では2005年からSOCOMが本格的なトライアルを開始し、SCAR-LとHをそれぞれ「Mk.16 Mod.0」「Mk.17 Mod.0」の名称で採用した後、狙撃・支援用モデルSCAR-H TPRも「Mk.20 Mod.0 SSR」として採用した。しかし、Mk.16に関しては第75レンジャー連隊に配備されたものの、2010年にSOCOMからの追加購入が中止され、2013年末には軍全体で運用を終了している。米軍はFN社に対して「コストの割にM4から更新する明確な利点がない」と回答しており、Mk.17に運用を一本化することでのコスト削減を図ったものと思われる。
米軍の購入中止によって一時期評価が下落したものの*1、2011年ごろからは他の組織・民間でも安定したセールスを記録している。ヨーロッパではベルギーやギリシャ、南米ではペルーなどの軍・警察特殊部隊に採用例が見られる。2020年1月にはフランス軍が新狙撃銃としてSCAR-H PRを採用した。さらに一部はメキシコの麻薬戦争にも流出しており、コロンビアでは武装勢力が所持していたドラムマガジンを装着したSCAR-Lが押収されている。
アメリカの民間市場では、SCAR-LとHはそれぞれ「SCAR 16S」及び「SCAR 17S」の名称でセミオートモデルが販売されている。
サードパーティ製品にはAR15タイプのレシーバーに比べて短い側面レールを補う延長レール付きフォアエンドや、AR15タイプのストック用アダプター、各種ハンドガードなどが販売されている。
SOCOM隷下の特殊部隊ではサードパーティ製パーツを用いてMk.17をモジュラーウェポンとして運用しているようで、2010年のMk.16調達中止以降は「5.56mm仕様にコンバージョンしたMk.17」が目撃されている。その他にはM110とマガジンを共用可能なSR-25マガジン対応ロワーレシーバーも目撃されている。
なお、先述の通りHのマガジンは同社のFALのものをベースとしているが、SCAR用はグリップ性や設置時の安定性を改良するため下面の傾斜部にスペーサーをはめて全体を直方体としている他、フィードリップやマガジンキャッチなどの構造が異なる。このため双方に互換性は無いが、加工によって少なくとも装填可能とした例や、自社製ポリマーFALマガジンの改造モデルをSCAR-Hマガジンとして販売しているメーカー(Moses Mag社)も存在する。
モデル | 解説 |
SCAR-L | 基本モデル。米軍SOCOM制式名Mk.16 Mod.0。 STD/CQC/LBのバレル長はそれぞれ14/10/18インチ。 |
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FNAC | 改良モデル。名称は「FN Advanced Carbine」の略。 着脱/折り畳み式バックアップサイト・バヨネットラグ・非連動型チャージングハンドルを備える。 米陸軍IC(Individual Carbine)計画に出展するが計画が中止。 |
HAMR (FN IAR) | 軽機関銃モデル。名称は「Heat Adaptive Modular Rifle」の略。 ヘビーバレルを備えるほか、フルオート射撃時にはクローズドボルトからオープンボルトに変わる機構を持つ。 米海兵隊IAR(Infantry Automatic Rifle)計画に出展するが落選。 |
SCAR PDW (SCAR-P) | 短銃身モデル。 着脱/折り畳み式バックアップサイト・6.75インチバレル・MP5風のスライド式ストック(チークピース有り)を備える。 初期モデルはSCAR-Lを単に小型化したような固定の折り畳み式フロントサイトで、より大型のスライド式ストックとチークピースを備えていた。 その後も名称がSCAR-Pとなってバレル長はSCAR-L CQC同様の10インチとなったり、現在も試作中のためか正確な仕様は不明である。 |
SCAR-SC (Subcompact Carbine) | サブコンパクトモデル。2017年発表。 5.56mmのみで7.5インチのバレルを備え、PDW型にもみられたチークパッド付き伸縮ストック・フリップアップサイトを持つ。 チャージングハンドルは他モデルと違い非連動式となっている。 正式に製造されていたか不明なPDW型と違い、こちらはFN本社、FNアメリカ両方のカタログに記載されている。 |
SCAR16S | 民間用モデル。セミオートのみ。 |
モデル | 解説 |
SCAR-H | 基本モデル。米軍SOCOM制式名Mk.17 Mod.0。 STD/CQC/LBのバレル長はそれぞれ16/13/20インチ。 |
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SCAR-H PR | 狙撃用モデル。PRは「Precision Rifle」の略。 20インチヘビーバレル・ロングハンドガード・着脱/折り畳み式バックアップサイト・2ステージトリガー・大型トリガーガードを備える。 セミオート仕様。 |
SCAR-H TPR | 狙撃用モデル。TPRは「Tactical Precision Rifle」の略。 米軍SOCOM制式名Mk.20 Mod.0 SSR(Sniper Support Rifle)。 PRの仕様に加えて、ストックが固定式で前後・上下の調節幅が大きい狙撃用ストックとなっている。 米軍SOCOM納入モデルはフルオートセレクターとなっており、ロワーの交換で対応していると思われる。 北米市場では「MK20 SSR」の名称で販売。 |
CSR-20 | 狙撃用モデル。名称は「Compact Sniper Rifle - MK20」の略。 MK20 SSRをベースとして16インチヘビーバレル、AR15タイプの伸縮式ストックとアダプタを備える。 米陸軍CSASS(Compact Semi Automatic Sniper System)計画に出展するが落選。 |
SCAR17S | 民間用モデル。セミオートのみ。 |
SCAR20S | MK20 SSRの民間用モデル。セミオートのみ。 |
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