モデル | 全長(伸長時) | 銃身長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射速度 | 発射形式 | 製造国 |
UMP9 | 455(695)mm | 7.8in | 2350g | 9mm×19 | 30 | 600発/分 | S/1/(F) S/2/F S/1/2 S/1/2/F | ドイツ |
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UMP40 | 455(695)mm | 7.8in | 2380g | .40 S&W | 30 | |||
UMP45 | 455(695)mm | 7.8in | 2470g | .45 ACP | 25 | |||
USC | 900m | 16in | 2700g | .45 ACP | 10 | − | S |
H&K社が1990年代に設計した短機関銃で、同社MP5より安価でシンプルな短機関銃として開発された。作動方式はクローズドボルト式のストレートブローバック。UMPは『Universale Maschinen Pistole:《独》汎用短機関銃』の略である。
最大の特徴は材質にポリマーを用いた軽量化で、同クラスの短機関銃と比べてずば抜けた軽さを誇る。また、フォアエンドやレシーバー上にはボルトオンで着脱可能なマウントレールを採用し、各種光学照準器やタクティカルライト、フォアグリップ等のアクセサリが装着可能である。こうした設計は特殊部隊での使用も意識したものだが、それまで装備されてきたMP5のような命中精度重視の設計ではなく、オーソドックスで信頼性が高く近代的な拡張性を備えた設計とすることで、新たな短機関銃市場の開拓を狙ったものである。
加えて1990年代当時、9mm口径の威力不足が指摘されていたことから、MP5では対応が難しかった.45ACPなどの大口径弾を主力とする設計となっている*1。
MP5と比べるとコストは抑えられている一方、操作方法は同一*2となっているため、MP5に親しんだ現場でもなじみやすい作りになっている。一方で、M16風のボルトキャッチが追加されており、G3系の問題であるリロードの煩雑さが解消されている。
マガジンはMP5とは互換性のない独自のものを使用し、.40S&W弾と.45ACP弾モデルではストレートタイプで、9mmモデルが湾曲タイプとなっているが、いずれもスリットによって残弾が確認可能な設計となっている。
バリエーションとしてアメリカ民間市場向けのUSC(Universal Self-loading Carbine)というモデルも存在する。口径は.45ACPのみ、セミオートオンリーで装弾数は10発、バレルはアメリカの法律上「ライフル」として規制を通過するため16インチに延長され、ストックも固定式のサムホールタイプのものが使用されている。
米陸軍特殊部隊でも2000年代にはイラク・アフガニスタンにおいて、MP5に替わる接近戦火器として.45ACPモデルが多く使用された。使用者のレビューによれば、当時のM4A1カービンよりも圧倒的にコンパクト・軽量で制御性に勝り、室内戦では1人の目標を制圧するにあたり、単発か数発の射撃で対応することが可能であったという。対して、当時の室内戦ではM4A1の場合、1人の標的を制圧するのに平均して6発、多い場合には9発射撃していた*3。
UMPは本国ドイツの国境警備隊の精鋭部隊GSG9をはじめ、KP-SWAT(韓国国家警察特攻隊)、タイ王国RTN-SEALs(王立海軍特戦隊)、アメリカ合衆国税関・国境警備局などに配備されている。
MP5同様、H&K社のロングセラー製品となっており、近年では2016年にはブラジル、2018年にはフランス警察の旧式短機関銃を全置換するため、9mmモデルの導入が決定されている。
またメディア上でもMP5に負けずその独特の外観で活躍しており、映画「007」シリーズでも新生カジノロワイヤルではそのコンパクトさを活かし、カーチェイス中にハンドル片手に抜き撃ちを行うなどの離れ業を見せた。
ビデオゲームにおいては連射速度が遅いためか、SMGの取り回しながらアサルトライフル並の火力や射程が与えられることが多く、特にこれが顕著であった人気作「COD:MW2」や「PUBG」では最も人気のある装備の一つとなった。
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