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FN F2000 【突撃銃】 †
FN社が2001年に発表したブルパップ式突撃銃。米国のOICWに類似したコンセプトのライフルである。
IWS(Integrated Weapon System:統合火器システム)とも呼ばれる本銃は、その名の通り各パーツをユニット化する事で、用途に応じた各種装備の変更を容易かつ迅速なものにしている。フォアエンド部には各種アドオンが用意されており、40mmグレネードランチャー(GL1)や、LAM、ピカティニーレールなどが無加工で装着できる。また特筆すべき装備として、FN社がフィンランドのノプテル社と共同開発した光学電子FCS(Fire Control System:火器統制装置)内蔵のエイミングモジュールがある。内蔵されたレーザー測距儀が、照準器で捉えたターゲットまでの距離を自動測定し、GL1擲弾発射器の発砲時に射手に対して適切な発射角度を指示してくれる。
機関部がストック内にあることから、構えた時に射手の顔付近に排莢孔が位置していたそれまでのブルパップ式の欠点を克服すべく、空薬莢をバレル上部のチューブを経て右前方へと送り出して排出するフォワードイジェクション方式としている。これによって射手が左右どちらで構えても、排莢を気にすることなく安全に射撃できる。
排出チューブ内は空薬莢5発ぶんのスペースがあり、6発目で外へと押し出される寸法だが、内部にストッパーなどは無く、銃口を下に傾ければ自重で空薬莢が滑り落ちて排出される。このため、セミオートで筒先を上下に散らしながら射撃を行っていると、発砲はスムーズなのに排莢はまるでジャムを起こしたかのように不安定な見掛けとなる*1。
また、薬室と排莢孔の位置が大きく離れたため、従来のように排莢孔から薬室の装填/未装填を目視確認することが出来ない。このためチークピース前方に跳ね上げ式カバー付きの点検孔が別途設けられた。
トリガー周りの設計はP90のものを踏襲し、トリガーの引き具合でセミ・フルを選択できるプログレッシブ・トリガーと、その下部にマニュアルセイフティを兼ねた円盤形トグルセレクターを備える。
マガジンはM16互換のSTANAGマガジンだが、マガジン内の最終弾発射後に自動でホールドオープンさせる機能は無く、再装填後はコッキングが必要。ボルトを後退位置で固定するには、G3シリーズのようにコッキングハンドルを引いてノッチにひっかけておく仕組みだ。マガジン挿入孔には装填したマガジンとの隙間から塵芥が侵入するのを防ぐシーリングが施されたため、マガジンリリースを押しただけではマガジンがシールガスケットとの摩擦で抜け落ちず、マガジン前方のリリースボタンを押し上げるようにしてマガジンを掴んだのち引き抜く操作が必須である。ただしガスケットは着脱式なので、外しておけばリリースを押すだけでマガジンを自重で落とすことができる。
バリエーションとしては専用の1.6倍率スコープを備えたモデル(上掲写真)を標準とし、スコープとカバーを廃して着脱式フロントサイトを装備した「F2000タクティカル」、キャリングハンドル兼用の底上げされたトップレールレシーバーを持つ「F2000S」、アメリカ民間市場向けの16インチバレル・セミオート限定仕様のスポーターモデル「FS2000」が存在する。標準モデルではスリングスイベルの位置が悪く、スリングを右利き用にかけるとガスポートから出る熱風がスリングを直撃してしまうという欠点があったが、F2000タクティカルではスイベルの位置が改善された模様。
主に特殊部隊などの限定的な装備として十カ国で採用され、この中で主力小銃として採用した組織はサウジアラビア軍とスロベニア軍(両軍ともF2000S)のみに留まっている。FCS搭載型モデルの採用例はない。リビア、イエメン内戦での使用が確認されている。
2019年には、FNハースタル及びFN USAの公式サイトから、F2000のページが削除されている。
動画 †
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