"Hello,world." / ハローワールド †
2002年、PCゲーム
ブランド:Nitro+
ハード路線を特色とするPCゲームメーカーであるNitro+作品第4弾。
時は西暦2020年。ネットワーク社会が確立された近未来の東京を舞台に、《ヒカリ》という謎の存在により、廃棄寸前のスクラップから再生され、「人間の感情に関する情報の収集・分析」という極秘任務を帯びたロボットの少年である友永 和樹が、自分が愛する少女達を守るために、自らの創造主が画策する大規模なサイバーテロ阻止に奔走する。
人間が持つ感情の揺れ動きや、これから現実として訪れるであろうロボット社会の裏に潜む闇、ネットワーク社会の脆弱性を暗示させる。
しかし、明るめの学園物仕立ての恋愛劇ではまず終わらない。Nitro+のお家芸である緊迫した銃撃戦はもちろん、航空自衛隊配備の次世代型戦闘機「F-22J ラプター*1」と、国籍不明の無人戦闘機「S-37 ベルクート "ゴースト"*2」が都心上空で激しいドッグファイト*3を展開するという場面も見られる。 OP曲である『青い記憶』は一見するとのびやかな曲だが、意味深な歌詞であるのも特徴だ。
そして、Nitro+作品の中でも、最も総プレイ時間が長く、ヒロイン数も多いゲームとして君臨することになる。
本来ならばゲーム化第3弾となるはずだった『"Hello,world."』。
しかし制作が難航し予定外の空白期間ができたため、最低限の人数で作る作品というコンセプトのもと『鬼哭街』が制作され、こちらがゲーム化第3弾となった。
また、本作はもともと「PCゲーム『To Heart』に登場するキャラクター"マルチ"の性別を男にしたら」というコンセプトで、虚淵玄(Nitro+のメインシナリオライター)が打ち出した企画である。虚淵はその後、シナリオ担当を別のライターにバトンタッチしたため、彼はこの企画に携わっていないことになっている。
余談であるが、作品の表題である「Hello World」というのは、コンピューター関係の分野における専門用語のことである。
(*1) 「電撃姫」にて連載されていた中央東口コラム、『中央東口のシャイニングエクソシスト-追撃者-』掲載イラストにて所持。