ベレッタ M12 / Beretta M12 【短機関銃】 †
モデル | 全長(伸張時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
M12 | 418(645)mm | 3.48kg | 9mm×19 | 20/30/40 | 550発/分 | S/F | イタリア |
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M12S | 418(660)mm |
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イタリアのベレッタ社が、1959年に公的機関向けとして開発した現代的短機関銃。
従来の短機関銃同様、オープンボルト式ブローバックで動作し、プレス加工を用いており生産効率が高いといった点は同様だが、M1938同様優れた品質の仕上げを施されており、ボルト駆動の滑らかさで信頼性が高いことに定評がある。
同時代のUZI短機関銃同様に、ボルトの一部がバレルの根元を覆うようなテレスコピック・ボルト設計で全長をコンパクト化しており、毎分550発と低めの連射速度と、標準で備えられたフォアグリップにより、フルオート時の制御性も優れている。銃身にはクロームラインが施されており高い耐久性を持つほか、レシーバー全体も樹脂コーティングによって耐食性を備えており、ボルトハウジングに溝を加える事で砂・泥への耐性を高めている。ストックはレシーバー後端で右水平に回転して折り畳むワイヤータイプのものが備えられている。
またセレクターを備えセミオートでの射撃が可能。グリップセイフティによってグリップを握らない限りトリガーがロックされるなど、全体的に当時としてはかなり洗練された設計であった。
本国イタリアで軍・法執行機関に採用された後も、当時未だ突撃銃も十分に普及していない戦後の第三世界には高品質で安価なフルオート火器として評価され、特に砂塵環境や高温多湿環境での高い信頼性から中東・アジア諸国や南米・アフリカ諸国へ多く輸出された。ベルギーやブラジル、インドネシアではライセンス契約が結ばれ、法執行機関の制式短機関銃として使用されている。
改修モデルとして1978年に登場したセイフティ・セレクターレバーを統一するなど細部の修正が加えられたM12S*1、1983年に登場した整備性を高めサイレンサーを装着可能としたPM12S、AFPBを備えたPM12S2などが存在する。またカラニビエリ*2の重武装警官がダットサイトと共にピカティニーレール付の本銃を携行している例が確認されている。
先進国の法執行機関ではその後登場したHK MP5が多く採用されたためかメディア上でも影が薄いが、他のベレッタ製品同様一時代を築いたヒット製品の一つであると言える。2018年には後継モデルのPMXも開発された。
なお釘打ち銃に似た外観からか、MGC社から本銃モデルのトイガンが「ペネトレーター」の名称で販売されていたため、日本ではその名の方が知られていた時期もある。
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