モデル | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
MAG | 1260mm | 11.79kg | 7.62mm×51 | ベルト給弾 | F | ベルギー |
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M240(B) | 1263mm | 12.5kg | 7.62mm×51 | ベルト給弾 | F | アメリカ(FN USA、USオードナンス) |
M240L | 1130mm | 9.9kg | ||||
M240LW | 1100mm | 9.8kg | 7.62mm×51 | ベルト給弾 | F | アメリカ(バレット社) |
第二次大戦後、ドイツのMG34やMG42などの汎用機関銃のコンセプトを元に、FN社で1955年に開発された軽機関銃。MAGはフランス語の「Mitrailleuse d’Appui Général(汎用機関銃)」の略称である。
発火はオープンボルト、作動はロングストローク・ガスピストンで、ロッキングには信頼性に定評のあるBARのレバーロッキングを採用している。部品にはプレス加工を多用して生産性の向上と軽量化をはかっており、レシーバーはリベットで接合されたプレススチール板で構成されている。
トリガー機構はMG42のものを採用しており、グリップ・トリガー周りはほぼ同じ外観となっている。給弾も、旧来のベルト給弾機構に見られる弾薬をリンクから後方に引き抜いたのちに前方の薬室へと押し込むスタイルではなく、MG42と同様の直接リンクから薬室へと押し込むものとなっている。下方排莢・側方リンク排出もMG42と同様だが、開発当時のベルト給弾式機関銃としては一般的な構成である。
銃身が白熱するまで撃ち続けても確実に作動するほど高い信頼性を持ち、小隊支援用や車載用、ヘリ搭載用などに約15万挺が生産され、7.62mm弾時代の西側陣営における代表的な汎用機関銃の地位を確立した。時代が5.56mm弾へと移った現在でも多くの国で第一線火器として現役である。
イギリス軍では1957年から、ブレンガンやヴィッカース機関銃に替わって採用されており、「L7」および「L8」の制式名で、歩兵用から車両・航空機に搭載する機関銃として運用されている。
米軍では1977年から「M240」の制式名で戦車の同軸機銃として採用されていたが、湾岸戦争以降には従来のM60機関銃の後継として、歩兵用軽機関銃としても配備されるようになった。陸軍では「M240B」、海兵隊では「M240G」と、それぞれ独自の仕様で採用されている。この他M2、M3歩兵戦闘車の同軸機銃仕様である「M240C」、ヘリや車両のピントルマウントに設置して使用する「M240D/E1」が存在する。
単純な銃器としての性能は非常に高いものの、現在では設計が古い事もあり幾つかの問題がある。特によく挙げられるのは非常にかさばり重い点、また部品点数が多く整備が難しい点や弾薬の保持が難しい点である。
特に弾薬の保持の難しさは前述した排莢システムに起因しており、下方排莢であるため弾薬バッグを銃の横に吊る必要がありバランスが悪い為、ただでさえ重い本銃の重量とあいまって携行に非常に不便となっている。このため、米軍では調査の結果、50連ベルトを銃自体に巻き付けたり、肩に下げて携行するといった運用が半分ほどを占めていると明らかにしている。
米軍ではこの問題の解決に積極的に取り組んでおり、銃身や銃床を短縮しまたバイポッドにチタンを用いて軽量化を図った「M240L」や、バレット社との提携で設計自体を見直して軽量化・構造も2ピース化し大きく整備性を向上した「M240LW」といったバリエーションの開発に取り組んでいる。中東での戦闘における機動力や負担減の重要性から、M240Lは既に米陸軍で一般部隊に配備されている。
なお近年では、シューターゲームの世界的流行から本銃が登場するゲームやメディアも増えつつあるが、未だに著名な作品においてもM249のように銃下部に弾薬バッグを吊り下げたモデルとして描写されているものが多い。前述通り、本銃は下方排莢であるためそれでは排莢できない(そもそも排莢口なので固定箇所も存在しない)。
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