モデル | 全長(伸縮時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
AKS74U | 730(490)mm | 3.2kg | 5.45mm×39 | 30 | 800発/分 | S/F | ソビエト |
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M85 | 760mm | 3.5kg | 5.45mm×39 5.56mm×45 | 30 | 600発/分 | S/F | ユーゴスラビア |
M92 | 800mm | 3.2kg | 7.62mm×39 | 30 | 620発/分 |
1979年に開発されたAKS74のカービンモデル。"U (У)"は"Ukorochennyj (укороченный : 短小化)"の略。
5.45x39mm弾やAK74同様、ベトナム戦争後にアメリカ軍の装備近代化に影響を受けソ連で行われた装備近代化計画の一環で設計され、室内戦を行う特殊部隊や小型護身武器を必要とする車両乗員などの装備として開発された。
特徴的な銃口部の部品はマズルブースターになっており、短縮によって動作圧の下がったガスシステムの圧力を増加させて補助している。またその副次的作用で元のAK74よりかなり連射速度が上昇している。
バリエーションとして、側面に光学照準機器を取り付けるためのダブテイル(蟻溝)マウントレールを備えたAKS74UNモデルや、特殊作戦用の希少なモデルとしてサイレンサーと、BS-1 "ティシュナ(Тишина : 沈黙)"と呼ばれる専用の30mm消音グレネードランチャーを取り付けることができるモデル、AKS74UBがある。
セルビアのツァスタバ社ではコピーモデルのM85、M92が製造されている。
ロシアでは"クスハ (Ксюха : ロシアの女性名の一つ)" "オクロク (окурок : 吸い殻、吸い止し)"といった俗称があるようだが、英語圏では何故か『クリンコフ(Krinkov)』及びそれにちなんだKrinkといった俗称でも知られる。
由来は定かで無く、ソ連のアフガン侵攻の折、ムジャヒディンが本銃を鹵獲した際にこれを所持していた捕虜の将校の名前が「クリンコフ」であったという説があり、米国ガンジャーナリストのパトリック・スウィーニー氏がこれを調査したが、アフガニスタンで捕虜となった将校の中に「クリンコフ」に類する名前は見出だせず、説を裏付けることはできなかった。「Krink」がロシア語で「短い」の意であり、「Krinkov」とはその擬人化形であるとするのも俗説である。
他にも、中東人には「カラシニコフ」の発音が難しく「カラコフ」ないし「クリンコフ」と呼ばれていたという説、アメリカで初めてAKS74Uの輸入を行った銃砲店「Krink」の影響だとする説もあるが、いずれも確証は得られていない。
また当時のアメリカの銃雑誌では何故か制式名が「AKR」と紹介されていたなど、「鉄のカーテン」と呼ばれた東西対立の冷戦時代に開発された東側火器であるだけに、情報の錯綜が多かったようである。
なお、本銃をかのビン・ラディンが犯行声明映像の中で所持していたことから、当時『ビン・ラディンモデル』とも呼ばれた。
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