モデル | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
PK | 1170mm | 9.0kg | 7.62mm×54R | ベルトリンク式 | 650〜750発/分 | F | ソビエト |
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PKM | 1170mm | 8.4kg |
PKは「Pulemet Kalashnikova(プリミョート・カラシニコバ):カラシニコフ式機関銃」の略。その名の通りAK47の設計者であるカラシニコフ技師が、1961年に設計した軽機関銃である。非分離式の金属製ベルトリンク給弾で、ベルト一つに25発の弾薬が連結された。この25連ベルトを幾つも繋げて給弾することも出来たが、のちに100連や250連のベルトも作られている。西側の一般的な汎用機関銃と違い右給弾・左排莢である。これは給弾手が居なくても手早く装填できるようにするため。ただし、他の兵士の銃と排莢が逆方向になるので機銃手の配置に気を使う必要がある。
機構はAK47と同様のガスオペレーションとロータリーロックを採用しているが、使用弾薬にはモシンナガンの時代からの制式弾薬である7.62mm×54Rを採用している。大祖国戦争での疲弊の残る当時のソ連が、備蓄弾薬と既存の弾薬製造設備を活用することを選択したためだ。
7.62mm×54Rは、もともと帝政ロシアの時代にボルトアクションライフル用に作られた旧式のライフル用弾薬だが、威力・射程とも申し分なく、現在も制式弾薬として使用されている。しかし、表記の"R"が示すとおりのリムド・カートリッジ(リム付き弾薬)であるため、弾薬を薬室へと送り込むには、一度ベルトリンクから後方に引き抜いたのち改めて押し込むという動作が必要であり、給弾システムとしては複雑なものとなっている。
不向きな弾薬の採用もあって設計上の不利も少なくなかったが、にもかかわらずカラシニコフはPKを信頼性の高い優秀な機関銃にまとめ上げた。銃身と一体になったキャリングハンドルを使えば、耐熱手袋なしで素早く銃身を交換できるなど、第2次大戦以降の汎用機関銃としてツボもしっかり押さえている。同世代の西側の機関銃と比べてもかなり軽量で、当時の西側軍事筋も「弾薬と給弾システム以外は総合性能の高い汎用機関銃」と一目置いていた。
東側を代表する機関銃として評価も定まったPKは、ソビエトは元よりその衛星国(ポーランド、ハンガリー、ブルガリアなどの旧ワルシャワ条約機構加盟国やコンゴ民主共和国、スリランカなど多数)の主力機関銃として使用され、現在でもPKの後継として1970年頃に開発された、軽量モデルのPKM(Pulemet Kalashnikova Modernizirovanniy:現代版カラシニコフ式機関銃)が現役で使用されている。
また、変わり種では最新モデルのPKP"ペチェネグ"を、特殊部隊向けに近接戦闘支援や市街地での運用を想定したブルパップ式に改造したモデルがある。
バリエーションとその名称に関しては下表参照(カッコ内はPKM版の名称)。
モデル | 特徴 |
PK(PKM) | 標準モデル。銃身下部に二脚を装備 |
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PKS(PKMS) | 重機関銃用の大型三脚モデル |
PKB(PKMB) | 足の短い三脚が付いた車輌搭載モデル |
PKT(PKTM) | ストックと二脚を省略。搭載用金具と、引き金の替わりにスイッチを付けた戦車/装甲車搭載モデル |
PKP "ペチェネグ" | PKMベースの改良モデル。 銃身をヘビーバレル化し、イギリスのルイス軽機関銃に似た構造の冷却用バレルジャケットを装着 銃身のQD交換機能は敢えて省かれており、オーバーヒートせずに600発以上を連続発射できる。 |
M84 | ツァスタバ・アームズ社によるPKMのコピー。光学照準器や暗視装置が装着できるマウントを装備。 |
M86 | ツァスタバ・アームズ社によるPKMTのコピー。同軸機銃用モデル。 |
80式通用機槍 | 中国北方工業公司によるPKMのコピー。輸出もされている。 |
73式機関銃 | 北朝鮮がPKを元に開発した機関銃。 チェコスロバキア製のVz.52のような弾倉とベルトリンクでの給弾が使い分けられるようになっている。 銃身も2種類用意されているらしく、ライフルグレネードが発射できるともいわれている。 |
7.62×54mmアーセナルマシンガンMG-1M | ブルガリアのアーセナル社が製造。構造はPKMを基とするが、銃身に独自の改良が加えられている。 |
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