BSA ルイス MkI / Lewis MkI 【軽機関銃】 †
全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
1250mm | 12.15kg | 7.7mm×56R | 47/97 | F | イギリス他 |
第一次大戦前、アメリカのサミュエル・マクリーンの設計を元に、当時のアメリカ陸軍大佐アイザックN.ルイスが開発した軽機関銃。
しかし母国アメリカでは当初、採用に至らず、軍を辞めたルイス(元)大佐によってベルギーに売り込まれ、1913年に同国軍に採用された。生産は、ルイス氏と契約したイギリスのBSA(Birmingham Small Arms Company/バーミンガム・スモールアームズ・カンパニー)が行い、それから間も無く1915年にはイギリス軍も制式兵器として採用している。
独特の空冷機構による太いバレルジャケットやフラットパン(平鍋)と呼ばれるドラムマガジンが特徴的。陣地に据える重機関銃が主流の当時、比較的軽量な当銃は歓迎されたが、放熱装置・発射機構が脆弱なため、発砲時に故障することが多かったという。
銃口付近まで覆ったこの冷却ジャケットは、発砲時のマズルブラストを利用してジャケット内に急速な空気の流れを起こし、これによって銃身を冷やすという発想によるもので、仕組み上、射撃中はジャケットのベントから射手に向かってブラストの熱風が押し寄せる難儀なシロモノだった。そもそも冷却効果があるのか自体疑問視されていたもので、ジャケットなしで車両の機銃として使われたルイスも、砂漠での運用ですら特に問題とはならなかった。航空機用の機銃として搭載されたものを始め、ほとんどのルイスはジャケットが廃止されていき、結局、ジャケットつきのまま使用され続けたのは、当時のイギリス海軍の艦艇に備えられた対空用のルイスのみであった。
第一次大戦の最中には、アメリカのサベージアームズ社でも生産された。サベージのルイスは、米軍制式の.30-06スプリングフィールド弾仕様と英軍制式の.303ブリティッシュ弾仕様の2種が製造され、カナダとイギリス、そして少数がアメリカ軍に供給された。
第二次大戦では、後発のより高性能な軽機関銃が各国で登場したことから、予備兵器扱いとなり、ブレンガンへの更新完了まで対空機銃などとして使用された。また、ドイツ侵攻に備えてイギリス本土で組織された防衛隊(ホームガード)でも使用されたという。日本でも輸入されたルイスが「留式」の名で使用され、ライセンスを取得してこれを国産化した九二式軽機関銃が、艦艇の対空機銃や航空機の旋回機銃のほか、海軍陸戦隊でも使用されていた。
第二次大戦頃には既に旧式化していた軽機関銃であり、使用弾薬の.303ブリティッシュも使われなくなって、装備する軍隊は無くなったが、少数ながら民兵の装備として各地の紛争に姿を見せるようになった。1982年のグレナダ侵攻でも、押収されたルイスがアメリカ兵の記念写真に写っている。
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