豊和工業 20式5.56mm小銃 【突撃銃】

Type20
銃身長全長(銃床縮小時)重量口径装弾数発射速度発射方式製造国
330mm851mm(779mm)3.5kg5.56mm×4530650~850発/分*1S/F日本

 
 20式小銃は2020年に陸上自衛隊で制式採用、調達開始された突撃銃である。

 2014年8月、陸上自衛隊は89式小銃の後継となる小銃の採用を検討していると報道された。この時点での候補としてH&K G36HK416ステアー AUGFN SCAR といった外国製小銃が挙げられる一方で、国産小銃の新規開発も模索されていた。
 2015年、防衛省は試験用に各外国製小銃を調達し、同時に豊和工業との間でも試験用小銃の納入契約を行った。同年5月15日、豊和工業は新型小銃と思しき意匠を出願した。2018年に防衛省は試験用の小火器を別途調達した。そしてHOWA 5.56、HK416、SCARの3種にまで絞り込まれたのち、2019年12月6日にHOWA 5.56が選ばれたと公表された。

 20式小銃は、マウントレールによる拡張性、射手の体格や装備に合わせて調整可能な銃床アンビ構造といった2000年代以降にトレンドとなった特徴を備えたほか、特に離島防衛を想定した防錆性や排水性能が強化された。
 外観や構成については採用候補ともなっていた欧米の小銃に影響を受けたと考えられている。また、海外のメディアなどではSCARやCZ 805 BRENHK433と比較されることがある。
 口径は従来の5.56mm×45弾で、89式5.56mm普通弾を使用する。銃身は、高コストだが耐蝕性に優れるステンレススチール製で、灰色を帯びた防蝕コーティングが施されている。銃身長は330 mm(約13インチ)で、軍用主力ライフルとしてはカービンサイズのものと比べても非常に短い*2。これはV-22オスプレイやAAV7水陸両用車といったビークル内での取り回しの良さを重視した為だと思われる。ガスブロックには従来同様にガスレギュレーターと、89式では別途設けられていたバヨネットラグが一体成型で設けられた。
 レシーバーはアッパーがアルミ合金製、ロワーは樹脂製で構成される。マガジンM16互換で、マグプル社の樹脂製マガジン"P-MAG"が採用されている。ロワーレシーバーのマガジン装填孔には、89式までには無かったM16系に見られる漏斗状の縁が設けられ、スムーズな装填を補助する。
 銃床はSCARのものに類似し、調整可能なチークピースと伸縮機能を備えるが、折りたたむことはできない。
 作動方式については2020年5月18日の報道公開でガス圧作動方式という以上の詳細については明らかにされなかったが、メディアではショートストロークピストン式であると推測されている。コッキングハンドルはボルト連動型で、利き手に合わせて左右入れ替えが可能。89式同様、弾薬を撃ち尽くしたときにボルトを後退位置で保持する自動ボルトストップ機能を備え、マガジンのリロード後にコッキングハンドルを軽く引く操作でボルトリリース可能である。加えて20式ではM16系のものとほぼ同様のボルトリリースボタンが備わった。このボタンはリリース操作だけでなく、コッキングハンドルを射手が手ずから引き切った状態で下側から押下することで、ボルトを手動で後退位置にホールドすることもできる。
 ボルトリリース、セレクター、マガジンリリースはいずれもアンビとなり、マガジンリリースには、89式までには無かった誤操作防止用のリブが設けられた。
 89式小銃で採用した3点バーストは運用上必要とされていないこと、コスト要因となることから採用されなかった。セレクターは安全⇔単発⇔連射の順で操作され、ア・タ・レと刻印される。
 レシーバーからハンドガードにかけての上辺にはピカティニーレールを備え、銃本体に固定のアイアンサイトを持たない。上部のレールに加え、ハンドガード側面および下面にはM-LOKマウントを装備し、報道発表時には、ハンドガード下面にB&T社製グリップポッド、側面にはマグプル製スリングスイベル、レシーバー上面には1-8x24LPVOが装着されその拡張性をアピールした。銃剣は89式多用途銃剣を引き続き使用し、新たにアンダーマウント型擲弾発射器のベレッタ GLX160A1が採用された。

 配備は水陸機動団が優先されているが、全国の普通科部隊を中心に配備が進められる予定である。また89式小銃とほぼ同数の調達を予定していることから、普通科部隊への配備完了後順次後方支援部隊への配備も進むものと思われる。2022年からは、各隊が各SNSの公式アカウントを通じて20式を装備した様子を伝えている。
 また、防衛省が公開した令和5年度調達予定品目*3によると、航空自衛隊と海上自衛隊でも20式の調達が予定されている。

 
登場作品ジャンル使用者備考
空母いぶき GREAT GAME漫画特殊作戦群隊員第7集・第52ソーティ〜
ゲッターロボ アークアニメ神隼人
研究員・警備員
木製チークピースもあり?
ゴジラS.P<シンギュラポイント>項目参照
ベヨネッタ3項目参照
ムシリョウシ漫画軍人ニホン軍のイメージで所持

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 削除しまくりってかなり悪質だよなぁ。 -- 2023-12-22 (金) 21:29:18
  • ここで言っていいのか分からんけど、削除祭り開催しやがった悪質なクソガキへの対応感謝。IPだと別の回線・端末を用いてまたやってくるかもだけど、すぐすぐそんな真似もできまい。とりあえず小中学校のこの冬休み期間のうちは手出しできんでしょ。 -- 2023-12-26 (火) 13:40:00
  • フラッシュハイダーは89式よりもHK416に近いタイプでしょうか? -- 2024-03-19 (火) 02:10:31
  • HK416は仕様によってマズルデバイスが異なっていて、20式のような単純なフラッシュハイダーのものもあれば89式に近いコンペンセイター(もしくはマズルブレーキ)を兼ねたものもあるので、どちらとも言えません。 -- 2024-03-19 (火) 19:58:40
  • ゴジラS.Pですがゴジラ作品なのでゴジラの項目にリンク繋げてもいいかもしれません。 -- 2024-06-18 (火) 18:46:27
  • リンクを貼っておきました。 -- 2024-06-18 (火) 19:45:45
  • ↑ありがとうございます。 -- 2024-06-18 (火) 20:00:48
  • ベヨネッタ3ですが確かベヨネッタの作品項目はあるのでリンク繋げてもいいかもしれません。 -- 2024-07-06 (土) 17:36:57
  • リンクを貼っておきました。 -- 2024-07-06 (土) 18:02:49
  • ↑ありがとうございます。 -- 2024-07-06 (土) 20:49:22
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*1 https://www.thefirearmblog.com/blog/2023/03/23/dsei-japan-2023-howa-type-20-rifle/
*2 M16が20インチ、89式が約16.5インチ、M4が14.5インチ。かつてのアサルトライフルは20インチ程度が標準であり、21世紀に入り短銃身化が進んだが主力ライフルでは15インチ程度が平均的である。
*3 2023年5月時点。https://www.mod.go.jp/atla/souhon/pdf_choutatsuyotei/03_buki_r05.pdf

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Last-modified: 2024-07-06 (土) 18:02:41 (90d)