集弾率 / Grouping
銃器の機械性能による命中精度を表す言葉。
一般的にはMOA値(Minute Of Arc:分角)で表し、MOA値が低いほど命中精度が高いこととなる。
測定には銃そのものを機械的に固定し、一点に照準を合わせた状態で複数回射撃し、最も遠い着弾点の中心どうしの距離から算出する。これを複数回行うことで得られた値の平均が、その銃のMOA値となる。また、射撃回数と計測回数が多いほど、より正確なデータになる。このとき最も重要なのは固定する事であって、必ずしも照準器を用いる必要は無い。また、こうした数値は銃の状態(銃身の温度、劣化具合等)によっても変化する。
MOA値から着弾誤差を測定する場合、MOA値を「M(Minute of arc)」、射撃距離を「L(Longs)」とし、「L tan(0°M′)」で計算が可能*1。ただし、MOA値は機械的な命中精度であり、実際の「命中率」は射撃状況や射手の能力に大きく左右される。
一般に狙撃銃などはMOA値が低く、オープンボルト式の短機関銃などはMOA値が高い。特に狙撃銃の中でもボルトアクションライフルについては一般に「サブMOA(1.0MOA未満)」の精度があることがほぼ前提となっており、他の銃火器であっても限られた条件内*2であればサブMOAを記録することもある。
これらはカタログスペックとして見かける事が多いが、通常特定の弾薬とのセットで保証される数値であり、如何に優れた銃であっても凡庸な弾薬で高い精度を出す事は不可能である。優れた弾薬と優れた銃、これらが合わさって初めて高い精度というものが得られるということに留意すべきである。
以下におおよそのMOA値を示す。(着弾誤差:mm)*3
MOA値 | 距離50m | 距離100m | 距離200m | 距離300m | 距離500m | 距離1000m |
0.5MOA(0′30″) | 7.3 | 14.5 | 29.1 | 43.6 | 72.7 | 145.4 |
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1MOA(1′00″) | 14.5 | 29.1 | 58.2 | 87.3 | 145.4 | 290.9 |
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1.5MOA(1′30″) | 21.8 | 43.6 | 87.3 | 130.9 | 218.7 | 436.3 |
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2MOA(2′00″) | 29.1 | 58.2 | 116.4 | 174.5 | 290.9 | 581.8 |
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2.5MOA(2′30″) | 36.4 | 72.7 | 145.4 | 218.2 | 363.6 | 727.2 |
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3MOA(3′00″) | 43.6 | 87.3 | 174.5 | 261.8 | 436.3 | 872.7 |
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3.5MOA(3′30″) | 50.9 | 101.8 | 203.6 | 305.4 | 509.1 | 1018.1 |
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5MOA(5′00″) | 72.7 | 145.4 | 290.9 | 436.3 | 727.2 | 1454.4 |
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7.5MOA(7′30″) | 109.1 | 218.2 | 436.3 | 654.5 | 1090.8 | 2181.7 |
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