水銀弾 †
弾頭内部に水銀を詰めた特殊弾薬。
鉛よりも比重の高い水銀を詰めることで弾頭重量が増し、ストッピングパワーが増大する。また、人体に命中すれば水銀が体内に広がり、その大きなエネルギーをほぼ全て内臓にたたき込み、高い毒性で致命的なダメージを与える、という理屈である。
フィクションの世界では『必殺の弾丸』として人気(?)が高く、拳銃弾やライフル弾の中に水銀を入れ、その上にアマルガム(他の金属との混合物。虫歯に詰め込むアレ)を詰めるシーンがよく見られる。
ただ実際に使用するとなると、水銀の毒性や腐食性、揮発性などが問題となってくる。鉛と水銀が直に接触すると弾頭が腐食されて溶けてしまうはずで、そうなると流れ出した水銀が蒸発して、人体に重大な悪影響を及ぼすことも十分考えられる(よって長期の保管は難しい?)。
このようにリスクの方が大きいため、実際の威力はともかく現実的な弾薬ではない。当然実射した人のレポートなどは皆無で、理屈通りになるかどうかはいささか疑問である。