ザ・グリード / Deep Rising

映画

ザ・グリード (原題:Deep Rising)

1998年、アメリカ映画
監督:スティーヴン・ソマーズ

・ストーリー
 南シナ海で処女航海中の、3000人ものセレブな乗客たちを乗せた超大型豪華客船≪アルゴノーティカ号≫。乗客として乗り込んでいる国際指名手配中の女泥棒トリリアン(ファムケ・ヤンセン)は首尾よく金庫室に侵入するが、アサートン船長(デリック・オコナー)に見つかり食糧庫に監禁されてしまう。
 そんな事態を他所に大ホールでは豪華パーティーが行われていたが、突如巨大物体が船に衝突。乗客たちは我先にと逃げ出し、その光景は人間の醜い様を晒す修羅場と化すのだった―――。
 同時刻、暗闇の海上を航行中の密輸船≪サイパン号≫。船長のフィネガン(トリート・ウィリアムズ)は「乗客については一切詮索しない」をモットーとし、通常航路から大きく離れた海域まで「素性の知れない男たちと”荷物”」を送り届ける仕事を依頼されていた。
 覗きが趣味の乗組員パントゥーチ(ケヴィン・J・オコナー)が貨物室に積まれていた荷物の中に複数の魚雷を発見し、乗客たちと一触即発状態になるも、フィネガンの機転で事なきを得る。
 だが一難去ってまた一難。漂流していたモーターボートと衝突してしまう。幸いにも船が沈没する寸前にアルゴノーティカ号を発見するが、突如武装した乗客たちがサイパン号を占拠。リーダーのハノーヴァー(ウェス・ストゥーディ)の指示により、魚雷発射管がサイパン号に打ち付けられ、アルゴノーティカ号を急襲するという”仕事”に加担するハメに。
 船内には人気が全く無く不気味な雰囲気を醸し出していたが、フィネガンは修理用の部品を探すため、ハノーヴァーは”仕事”を遂行するため、それぞれ探索を始めるのだった―――。

・作品解説
 豪華客船の乗客3000人を一気に平らげる、未知の深海生物との死闘を描くホラーアクションなのだが、泥棒、傭兵、密輸請負人と、主要キャストにカタギがほとんどいないという、かなりとんでもない作品。
 多少『ブラック・ラグーン』にも通じるテイストで、ガトリングガン(後述)まで飛び出すド派手なガンファイト、ガンプレイ以外にも、クセモノ揃いのキャラクター達の駆け引き、化かし合い、海洋系モンスターの中でもトップクラスの迫力を持つ敵役でも、観る者を楽しませてくれる痛快作である。

 切れ者のリーダー ハノーヴァーが率いる武装集団は、謎のスポンサーから依頼を請けた傭兵である。サイパン号キャビンでの彼らの会話から、この傭兵たちは世界各国から招集されているものと推測できる*1
 メンバー構成は、小心者の電子操作担当モリガン(ジェイソン・フレミング)、仕事はキチッとこなす仕切り屋のメイスン(クリフトン・パウエル)、女とヤルことしか頭にないマムーリ(クリフ・カーティス)、自らの欲望に忠実な守銭奴ヴィーヴォ(ジャイモン・ハンスゥ)、短気なパワーファイター T-Ray ジョーンズ(トレヴァー・ゴダード)、バックアップ要員兼雑用係のビリー(クリント・カーティス)である。

使用者銃器名備考
ジョン・フィネガンM1L1 トリプルパルス突撃銃襲われたマムーリの銃を拝借
イサカ M37ソードオフモデル
トリリアン St. ジェームズタウルス PT92ハノーヴァーの銃をこっそり拝借
M1L1 トリプルパルス突撃銃メイスンから渡される(元はヴィーヴォの銃)
ジョーイ・パントゥーチ
”トーチ”
M1L1 トリプルパルス突撃銃死んだレイの銃を拝借
タウルス PT92ハノーヴァーに渡す(発砲無し)
サイモン・キャントン照明弾ピストル水平二連式
トリリアンに向けて発砲
ハノーヴァーM1L1 トリプルパルス突撃銃
イサカ M37フィネガンの銃を勝手に拝借
ポンプアクションさせるだけ(発砲無し)
タウルス PT92ノーマルモデルも所持(こちらは発砲無し)
モリガンM1L1 トリプルパルス突撃銃
メイスンベレッタ 92FS Inoxサイパン号でのメキシカン スタンドオフ時に使用
発砲無し
M1L1 トリプルパルス突撃銃死んだヴィーヴォの銃も所持
マムーリM1L1 トリプルパルス突撃銃
ヴィーヴォM1L1 トリプルパルス突撃銃
T-Ray ジョーンズ
”レイ”
FN M1910サイパン号でのメキシカン スタンドオフ時に使用
発砲無し
M1L1 トリプルパルス突撃銃
ビリーM1L1 トリプルパルス突撃銃発砲無し

その他設定

M1L1 トリプルパルス突撃銃 (M1 L1 triple-pulse assault rifles)

 ハノーヴァーが調達してきた「中国製 M1L1 トリプルパルス突撃銃」は、キャリコ M960を改造した映画オリジナルプロップガンである。トリプルパルスが何を意味するのかは不明。
 主な特徴は下記の通り。

 ・銃身をガトリング*2、それに伴いハンドガードも装着
 ・7.62mm×51弾仕様らしい*3
 ・自動冷却装置付きで1000発の連続射撃が可能
 ・装弾数100発
 ・防水加工仕様
 固定式ストックダットサイトハンドガードタクティカルライト等を装着

決めゼリフ

■何か悪い予感がする時のフィネガンの口癖:
"Now what?"
(お次は何だ?)

■触手に捕えられたフィネガンが、自身を睨む親玉ワームに向けて放つセリフ:
What are you lookin' at?
(ガン飛ばすんじゃねぇ!)

このセリフの後、背中のショットガンを取り出して親玉ワームの眼球を撃ち抜く。


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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 海外のサイトでは「M1L1」はキャリコ M100?ではなく「キャリコ M960」となってます。
    国内の各サイトだとM100だと言っている人が多いのですが、実際はどうなのでしょう? -- インテリの島二尉? 2007-06-18 (月) 10:32:32
  • このサイトに銃の画像があります(映画のとは少しカタチ違うけど)。そこではM960って言ってます。 -- 2007-06-18 (月) 11:26:50
  • 「M1L1は劇中、バレルが回転していない」と言うのを聞いたのですが本当?(私が見たのはテレビで放映してたヤツだから画像が粗くて確認出来ません…) -- カワショー? 2007-06-19 (火) 22:11:58
  • フィネガンがキャントンに向けて発砲するシーンではきっちり回っています。全編通してマズルフラッシュが凄いのでわかりにくいですが…… -- バーコビッツ? 2008-05-09 (金) 12:38:53
  • 吹き替えだとM1L1三銃身突撃銃だったよ -- 2014-07-29 (火) 20:20:28
  • ↑「でも、銃身は5本あるから、三銃身ってのは誤訳だろう。トリプルパルスっていったい何のことだろうね」って話だよ。 -- 2014-07-29 (火) 22:47:27
  • 字幕では、弾数は1000発と書いてありました。 -- 2017-01-01 (日) 01:28:30
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*1 ちなみに彼らの会話から、レイがオーストラリア出身であることが判明する。
*2 発砲時には束ねられた5本の銃身が回転しているが、じつは5本ともダミー。回転中心の円筒がベースとなったキャリコ本来の銃身で、そこからマズルフラッシュが出ているのが確認できる。
*3 排莢シーンで床に落ちる空薬莢のアップで.308 Winが見て取れる。ちなみにベースのキャリコは9mmパラベラム弾である。

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Last-modified: 2020-02-28 (金) 21:31:32 (1682d)