フランジブル弾 †
人体以外の硬い構造物に当たると、弾頭が砕けるように設計された弾丸。
これは一旦粉末状にした銅や錫、亜鉛などの金属を押し固めたもので、狙いがそれて周辺のアスファルトやコンクリートの壁、または航空機の機内壁面に当たっても、跳弾や貫通することなく弾頭はそのまま細かく砕け散ってしまうため、無関係の第三者を傷つけることを最小限に抑えられる。また、標的(人体)に命中した場合に発生する貫通弾による二次被害も同様である。
なお鉛を弾芯とする弾と比べ、フランジブル弾は金属粉の塊であることからライフリングへの食い込みが少ないため、遠距離での命中精度に問題がある場合もある。
また、グレイザー社のセフティ・スラッグのようなフランジブル弾もある。これは、散弾銃のバードショットに相当する粒を弾頭に詰めたもので機能的には同じだが、既存の散弾実包の弾丸を利用して作られるため低価格である。
近年ではアメリカのキルゴール(キルゴア;Kilgore)社から、ウルトラフラグ・エンバイロセーフ・アモ(Ultra-Frag Enviro-Safe Ammo)という新型のフランジブル弾が発表されている。これは対テロ作戦など狭い屋内での制圧戦の際、流れ弾の被害を抑えるのが主目的で、拳銃弾中心だったGSSとは異なり、ライフルやショットガン用の弾薬も供給されている。
なお、ウルトラフラグ・エンバイロセーフ・アモは、鉛毒の被害を防ぐため、弾頭に鉛を使用していないのも特徴である。