H&K VP9 / Heckler & Koch VP9 【自動拳銃】 †
モデル | 全長 | 銃身長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
VP9 | 186mm | 104mm | 725g | 9mm×19 | 10/15/17+1 | ドイツ アメリカ |
---|
VP9SK | 168mm | 86mm | 654g | 9mm×19 | 10/13/15+1 |
---|
VP40 | 186mm | 104mm | 820g | .40 S&W | 10/13+1 |
---|
ドイツのH&K社が2014年に開発したポリマーフレームピストル。VP70とP7に続き、同社製としては3番目のストライカー方式採用拳銃となる。
名称はアメリカ市場でのものだが、同社のVP70同様、「VP=Volkspistole(国民拳銃)」に由来する。ヨーロッパとカナダの市場ではSFP(Striker-Fire Pistol)の名称で販売されている。なお、改名の理由は発表されていない。Volkspistoleの名称がナチスを想起させるためとも云われるが、どちらかといえば、登場時期が近かったB&T社のVP9との商標問題を避けるためと思われる。
元々"P30X"の名で開発されていたため、グリップの意匠などP30とは全体的な特徴が似ており、P30のストライカー版とも言える。マガジンもP30と共通で、サブコンパクトモデルのVP9SKは、P30SKとマガジン互換性がある。
作動はUSP以来続くティルトバレル方式のショートリコイルで、排莢孔にチャンバーブロックをかみ合わせて薬室を閉鎖する。銃身はH&Kスタンダードなポリゴナルライフリング。スライド後部には、セレーションとは別にスライド操作をサポートするための突起と、コッキング状態を知らせるファイアリングピン・インジケーターが付いている。
グロックシリーズ型のトリガーセイフティを備え、スライドリリースレバーとマガジンリリースはアンビ仕様となっている。このマガジンリリースは同社のP7以来継承されているパドル式だが、他社製のボタン式に慣れたユーザー向けにボタン式マガジンリリースも用意されている*1。
グリップのフロントストラップはフィンガーグルーブが施され、バックストラップとサイドパネルは各サイズに交換できる。ダストカバーには、各種アクセサリー装着用のピカティニーレールを装備。
2016年にはFDE(フラットダークアース)カラーのフレームを採用したデュアルトーンモデルが登場している。
軍・法執行機関における大口の採用としては、ドイツのベルリン警察他、複数の州警察での採用例がある。
2019年12月には陸上自衛隊の新拳銃選定にて、ベレッタAPXやグロック17といったライバルを抑えて採用が決定し、翌2020年5月18日に「9mm拳銃 SFP9」として発表された。なお、メディア公開されたモデルは水上作戦向けのSFP9Mであり、同時期に採用された20式小銃同様島嶼防衛を意識しているとみられる。
モデル | 特徴 |
SFP9-SF | SF(Special Forces) スタンダードモデル トリガーストロークが短め、トリガープルが軽めに設定されている |
---|
SFP9-TR | TR(Technische Richtlinie) ドイツ警察向けのモデル トリガーストロークが長め、トリガープルが重めに設定されている |
---|
SFP9-SF SD | SFのタクティカルモデル 銃口にサプレッサー装着用のネジが切ってある 調節可能なLPAマッチサイト |
---|
SFP9 M | M(Maritime) 海上モデル。耐海水性特殊コーティングとOTB性能を持つ。 |
---|
SFP9 OR | OR(Optical Ready) ミニダットサイトマウントベース付き。 |
---|
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。