中国の第208研究所、国営296廠(建設機械廠)、国営216廠(長慶機器廠)が開発し、1995年に中国人民解放軍に制式採用された突撃銃。開発は1987年から香港がイギリスから返還される時期に合わせて進められた。
なお使用弾薬である5.8mm×42弾へと繋がる小口径高速弾の開発はさらに早く1971年から始まっていた。
87式自動歩槍をベースに、大幅な改修が行われている。
国内用で独自の5.8mm×42弾を使用するQBZ-95と、輸出用で5.56mmNATO弾(マガジンはM16と互換)を使用するQBZ-97が存在する。
ソ連のSKSから続く系譜に則り、内部機構にはショートストローク・ガスピストン方式を採用。さらに中国初の本格的なブルパップスタイルを採り、ポリマー素材を多用するという近代的な改革に臨んだ。しかし工業プラスチック材料技術の不足により、63式自動歩槍から採用されていたホールドオープン機能に対応したマガジンが断念されている。
そしていざ部隊運用が始まると、多くの問題点が浮かび上がった。セレクターがストック左側にあるため操作しづらい、キャリングハンドルの位置が高く光学照準器を搭載した時の視差が大きすぎるといったものから、銃身の腐食、ガスレギュレータに火薬滓が詰まるなどといった、耐久性や信頼性に関わる致命的な点まであった。
これらの問題点を改良し、さらにフロントサイト基部の左右にマウントレールを追加して各種アクセサリーに対応した95-1式自動歩槍(QBZ-95-1)が開発され、同じく改良された弾薬であるDBP10やホールドオープンに対応した新型マガジンと共に2010年より配備されている。
一部の部隊では光学照準器の使用に不向きなキャリングハンドルを取り外しフラットトップレール化するなどの独自改修が行われている。
オプションとして、アドオンタイプのグレネードランチャー(QLG-91B)が開発されたほか、派生型として短銃身仕様や分隊支援火器仕様も用意されている。
本銃の配備は95式の香港駐留部隊から始まり、それ以降も中国人民解放軍、武装警察に配備が進んでいるが、一部の部隊には従来型の非ブルパップで開発された03式(QBZ-03)が配備されている。
また現在は改修型である95-1式の配備が主流となっているが、欠陥の多い95式も士官学校や一部の武装警察では現役であり、陸軍でも一部の部隊では95式のみが、あるいは95-1式と混在して配備されている。
2019年には新型突撃銃として191型自動歩槍が公表されたが、こちらは非ブルパップ小銃であり、中国でもブルパップは主力小銃の座を退く事になる模様だ。
また本銃の分隊支援火器仕様の後継としては、191型の派生型ではない新規設計の、ベルトリンク・マガジン給弾両用としたQJB201型班用機槍およびその短銃身仕様のQJS161傘兵機槍が開発されている。
また中国国外では、ミャンマーのシャン州で自治権を要求してミャンマー政府と対立しているワ州連合軍や、スリランカ南部内戦におけるスリランカ政府軍は中国政府からの支援を受けており、QBZ-97を装備していることが確認されている。
意外な所ではカナダに民間仕様の輸出が行なわれており、その安さとコンパクトさからスポーツ用途やコヨーテなど小動物用の猟銃として少なくない数が売れている。
遊戯銃としては、香港のリアルソード社からQBZ-97の精巧な電動ガンが輸入発売されており、メーカーからの供給が不安定となった今日ではプレミア価格となってこそいるが入手可能となっている。またこれとは別に訓練用のラバーガンも輸入販売されていた。
モデル | 解説 |
QBZ-95 | 基本型 |
---|---|
QBZ-95B | 特殊部隊や空挺部隊用のカービンモデル |
QBB-95 | 分隊支援火器モデル。75連ドラムマガジンやバイポッドを装着する |
QBZ-97 | QBZ-95の5.56mm×45仕様 |
QBZ-97A | QBZ-97に3点バースト機構を搭載 |
QBZ-97B | QBZ-97のカービンモデル |
QBB-97 | QBZ-97の分隊支援火器モデル |
QBZ-95-1 | QBZ-95の改良モデル。開発中にはQBZ-95Gと呼ばれていた 人間工学を考慮したデザインになった |
QBZ-95B-1 | QBZ-95-1のカービンモデル |
QJB-95-1 | QBZ-95-1の分隊支援火器モデル |
T97A | QBZ-97のカナダ民間市場向けセミオート仕様 簡易にフルオート化改造可能な為に販売禁止になった |
T97NSR | T97Aにフルオート化改造対策を施した仕様 |
T97NSR FTU | T97NSRにT97.ca製フラットトップ・レールアッパーを装着した仕様 |
T97NSR G2 | T97NSRを改良した第二世代型 上面にレール、側面にKeyModを備えたアッパーにフリップアップサイトを装着した仕様 |
K13X-12 | QBB-95の開発を担った林久彬と寛甸猟槍廠によって開発された半自動散弾銃 |
LA-K12 | QBZ-95をベースにカナダのLEVERARMS社が製造販売している半自動散弾銃 |
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