QBZ-03(03式自動歩槍) 【突撃銃】 †
全長(銃床折畳時) | 銃身長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
950mm(725mm) | 440mm | 3.5kg | 5.8mm×42 | 30 | 650発/分 | S/3/F | 中国 |
QBZ-03(03式自動歩槍)は建設工業集団有限責任公司が2003年に開発した突撃銃で、中国人民開放軍の制式小銃である。
1987年、中国で81式自動歩槍などに代わる次期制式小銃として独自開発の5.8mm×42弾を使用するライフルの開発が始まった*1。当初はブルパップ式と従来式の2種が開発されていたが、1993年以降はブルパップ式の開発を促進するため、従来式は一時開発が中断された。この後、ブルパップ式が1995年に中国軍において95式自動歩槍として制式採用され配備が開始された。
しかし、ブルパップ独特の操作性に起因する装備転換の困難さ、複雑な構造による整備の煩雑化、1丁辺りのコストが高い、材料技術の未熟さゆえの耐久性不足など多くの問題点が指摘され、結局95式自動歩槍は一部の熟練部隊向け装備として配備に留めることが決定、一般部隊向けには中断されていた従来型小銃の開発が再開されることになった。
こうして1997年、姉貴分の尻拭いをする形でかつて開発中断された従来型は95A式として開発再開。95式からのフィードバックを加えながら開発は継続され、6年後の2003年に「03式5.8毫米自動歩槍」として中国軍に採用されることになった。
だが、03式自動歩槍の開発に用いられた95式からのフィードバックは95式の改修型である95G式の開発にも用いられ、こちらは2010年に95-1式自動歩槍として完成。さらには95-1式を特殊部隊に限らず一般部隊への配備もされることとなってしまい、03式は配備こそ継続されたものの主力小銃となることは出来なかった。
2019年にはより新しい191型自動歩槍がお披露目されており、将来的にはこの191型により03式は95式共々更新される模様である。
使用する弾薬はDBP87または改良型のDBP10通常弾や曳光弾、弾倉は30発入りで95式と共用可能である他、輸出用の5.56mm NATO仕様も存在する。
81式自動歩槍等からの装備転換を容易にするため、本銃の全体的な形状や操作性はそれに準拠している。作動は81式と同じくショートストロークピストンのガス圧利用式で、ロテイティングボルトロッキングを採用、フロントサイトベースには2ポジションのガスレギュレーターが備えられている。
レシーバーを始めとして殆どの部品はプレス加工で製作されている。グリップやハンドガード、ストックは樹脂製。右側面にストックを折りたたむことができ、左側面のグリップ直上にはセレクターが備えられている。フラッシュハイダーは漏斗型ではあるが外径が22mmに収まっており、ライフルグレネードを使用可能となっている。オープンサイトのリアサイトはフリップアップ調整式で、スコープを装着するためのレールも備えられている*2。
2010年頃には、QBZ-03を元に20mmエアバーストグレネードランチャーを装備した、中国版XM29とでも言うべき「QTS-11(11式単兵総合作戦系統)」なる兵器システムを開発している事が公表され、陸軍や海軍陸戦隊などで試験運用が行なわれていた。
他国の非常に大型で複雑なOICWモデルと比べると、ベースとなるライフルに先進的な光学機器と20mmのシングルショットランチャーを追加したのみで非常に軽量・小型となっており、空虚重量は5kg程度。コスト面でも大幅に安く、大量配備可能な「現実的な」モデルであると言える。
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