コルト特許火器 / Colt's Patent Firearms Manufacturing Company

 西部開拓時代から人気があったアメリカの銃器メーカー。S&W社とダブルアクションリボルバーで長らく市場を二分したライバル的関係にあったことも有名。

 シングルアクションリボルバーを世界で初めて実用化したサミュエル・コルト(Samuel Colt)が1836年に創業した。老舗中の老舗であり、銃器の歴史、そして銃器という存在そのものを語る時に必ずその名が出るほど有名な銃器メーカーである。

 コルト社の歴史は創業者のサミュエル自身が開発したシングルアクションリボルバーでであるコルト パターソンに端を発するが、当時としてはかなり先進的かつ高い性能を持ちながら、パターソンは充分な収益をあげることが出来ず、コルト社は一度倒産している。
 その後、以前にパターソンを購入し、実際に多大な戦果を上げたサミュエル・ウォーカー大尉を始めとするユーザーの声を背景に復活し、M1851のような成功作を生み出すに至る。金属薬莢の時代に入るとSAAがアメリカ陸軍の制式拳銃の座に就き、ダブルアクションリボルバーやサイドスイング式リボルバーの製造・販売に先鞭をつけるなど、19世紀末時点での業績は順調そのものだった。

 20世紀初頭に入ると、ジョン・モーゼス・ブローニングの設計をもとにM1911を生み出した。その功績はアメリカ軍主力拳銃の座を1911年から70年以上保持し続けるなど、計り知れない。現在は既にコルトの持つパテントは失効してしまったが、それを機に数多くのガンメーカーがM1911を元にした派生型を生み出しており、「.45オート」の流れは途絶えていない。

 しかし、コルトの苦難はその後からであった。米軍制式拳銃であったM1911の後継を決めるトライアルにおいてベレッタ M92に惨敗を喫し、それまで回転式拳銃が主流であった警察等の組織や民間市場においてもヨーロッパ製の自動拳銃が席巻し始めていた。その上ライバルのS&Wにもシェア面で大きく水をあけられており、コルトは拳銃の生産からほぼ撤退せざるを得なかった。末期の品質の低下は著しく、自社内での開発体制も弱体化し、新モデルの設計も外部に委託しなければならない有様であった。2000年代前半までにはダブルアクションリボルバーの生産からも完全に撤退している。

 経営の傾いた90年代からコルトは経営再編を始め、カナダでAR15のライセンス生産を行っていたディマコ社を買収し、「コルト・カナダ」と社名を変更。2002年には軍需・官需向けの「コルト・ディフェンス」と、民間向けの「CMC(Colt's Manufacturing Company)」の二つに分かれている。コルト・ディフェンスの方はM4カービンの軍契約打ち切りによって経営が悪化。2015年に「米連邦破産法11条(日本で言えば民事再生法)」を申請した。
 現在でもCMCの方は経営を続けており、長らく手を引いていたDAリボルバーの生産を再開している。まず初めに2017年にコブラがリニューアル復活。続いて2019年にキングコブラ、そして2020年には名銃パイソンも復活している。

 2021年、チェコのCZグループに買収されることが発表された。北米および軍・法執行機関に強いコルトと欧州および民間に強いCZがお互いに補完することを目的としている。CZの子会社にはなるものの、事業転換や工場閉鎖等は行われず、現状の経営方針のまま事業を継続するとされている。今後、コルトの余剰生産力を使ってCZ製品を製造する計画があるという。長らく停滞していたコルト社の新製品開発もCZの支援を受け行われる予定である。(CZの項目も参照)*1

 ちなみに、コルトではS&Wと同様にリボルバーのフレームサイズに規格を定めているのだが、顧客向けのカタログ上には記載されず、あくまで社内向けの分類であった。
 フレーム規格(コルト社)も参照。


回転式拳銃

コルト SAA
コルト M1851
コルト M1872
コルト M1877
コルト M1917
コルト ウォーカー
コルト オフィシャルポリス
コルト キングコブラ
コルト ディテクティヴスペシャル
コルト ドラグーン
コルト トルーパー
コルト ニューサービス
コルト パイソン
コルト パターソン(パテント・アームズ・カンパニー時代)
コルト ポリスポジティブ
コルト ローマン

自動拳銃

コルト M1900
コルト M1903
コルト M1908

コルト M1908 ベストポケット
コルト ウッズマン
コルト ガバメント
コルト ジュニア
コルト ダブルイーグル
コルト デルタエリート
コルト M45A1

小銃

コルト M1855

突撃銃

コルト AR15
コルト AR15A2
コルト CM901
コルト M4
コルト M727
コルト XM177

擲弾発射器

コルト M79
コルト M203

外部リンク

Colt Defence
Colt Canada
Colt's Manufacturing Company LLC


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • S&Wは民間や警察組織に対して大きなシェアを持ってる。コルトが外敵と戦う銃を提供してきたメーカなら、S&Wは内部の敵と戦う銃を提供して来たメーカだ。アメリカ人はそこに優劣など感じていない。何でもかんでもお上が選んだ方だから偉い、などというのは如何にも悪い意味で日本人らしい発想よな。 -- 2016-07-30 (土) 23:15:25
  • 米軍制式装備の製造からも外された今となっては、コルトと米軍の関係云々は嫌みにしか聞こえないよ -- 2016-07-31 (日) 20:57:57
  • コルトは現在FNと一緒にM4を製造してるんじゃなかったか? -- 2016-07-31 (日) 21:50:02
  • コルトがDAリボルバー業界に再参入を公式Facebookでアナウンス。 -- 2017-01-01 (日) 21:57:31
  • ↑お、パイソンやアナコンダ、ディテクティブスペシャル再登場なるか!? -- 2017-05-11 (木) 00:55:09
  • トイガンが世界中でわんさか出たり、メディア作品でわんさか使われたりするから、ライセンス料だけで食っていけそうな気もしますが、そうならなかったということは比較的ライセンス関係にはゆるいんでしょうか? -- 2017-05-11 (木) 18:38:45
  • そりゃあ、トイガンについては実銃ですらパテントが切れていますし、メディアにおいて銃火器に払われているライセンス料は普通存在しませんので。一時期随分騒がれましたが、あれは単なるエレクトロニックアーツ社のプロパガンダですから。メディアに無数に登場する製品のうち、銃だけ使用料が取られるなどという慣例も法律も存在する訳がないでしょう? -- 2017-05-11 (木) 19:45:48
  • ガバメント380とマスタングはガバメントのバリエーションモデルになるのでしょうか? 外観はガバメントを使用弾薬に合わせて縮小したみたいに見えますが日本語で検索すると違うように思えます。双方にグリップセイフティーは無いですし、内部機構も相違点があるようですし、よく分からないです -- 2020-01-16 (木) 07:27:07
  • 少なくとも本家でも最初マーク犬離薀ぅ鵐淵奪廚世辰燭阿蕕い任垢ら、バリエーションとみなせないということはないと思いますね。内部機構の相違といっても動作方式が違うのではなく、グリップセイフティを除けばフルレングスのガイドロッドが標準などパーツタイプの差ぐらいなものですから。 -- 2020-01-16 (木) 09:43:07
  • ガバメントの市販モデルについて質問があります。コルト M1911 バリエーションの項目を読んで疑問に思ったんですがWW興了後の1945年後半から1970年(Mk IVシリーズ70)までの約24年間はガバメントの市販モデルはなんという名称(製品名・モデル名)で販売されていたのでしょうか? つまらない質問だとは思いますが知りたくなりました。どなたでも構いませんのでご教示いただければと存じます。お願いいたします。 -- 2021-02-23 (火) 16:29:09
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*1 https://www.thefirearmblog.com/blog/2021/02/15/cz-buys-colt/

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Last-modified: 2021-02-18 (木) 05:17:45 (217d)