コルト M45A1 CQBP/ Colt M45A1 CQBP【自動拳銃】 †
2012年からアメリカ海兵隊で使用されているコルト社製M1911シリーズの最新軍用モデル。
海兵隊で独自に使われてきた「MEU(SOC)ピストル(制式名M45 MEUSOC)」の後継として新規製作されたモデルであり、原型のM1911の採用から実に1世紀以上経ってから再びの制式採用となる。
海兵隊では1980年年代半ばから、M9に代替されて保管されていたM1911A1の中から状態の良いものを(海兵隊内部で)カスタムし、MEUピストルとしてMEUやフォースリーコンに支給してきた。しかし、流石にMEUピストル自体の老朽化も進み、また隊員数も増加したことなどから、代替の必要性が生じてきた。
海兵隊は2010年にM45を代替する拳銃の仕様要求を発表し、コルト社が「Rail Gun」ベース、スプリングフィールドが「Loaded MC Operator M1911A1」ベースの新規銃を提出した。2012年、海兵隊はコルト社製を採用し「M45A1 Close Quarter Battle Pistol (CQBP)」として制式採用した。
海兵隊における特殊部隊であり、SOCOM隷下の部隊として独自の装備を持つMARSOC(マリーン・レイダース)でも採用当初は使われていたが、2016年からはグロック19に刷新されている。
2020年にM18(P320キャリー)の海兵隊での採用が決定し、M45A1はM9、M007(グロック19)と共に順次M18へ代替されている。
AFPB付のコルト・シリーズ80をベースにリングハンマー、アンビサムセーフティ、ビーバーテイルグリップセーフティ、フロントセレーション、ピカティニーレールを持つ。A1でない初期M1911に近い要素も備え、ロングトリガーとストレートタイプのバックストラップとなっている。
サイトはノバック社製3ドットナイトサイト。グリップパネルは滑りにくいG10積層材が使われている。
防食・耐摩耗を目的として、当初はデザートタン・カラーのセラコート仕上げがなされていたが、想定よりも被膜の劣化が早く摩耗が進んでしまったことから、2016年頃からデコボンド仕上げに変更されている(前期型の方が白色に近く、後期型は色が濃い)。
バレルは精度の高いナショナルマッチバレルが装備され、リコイルスプリングは独自の「デュアルリコイルスプリング」を採用し、反動の軽減と耐久性の向上が図られた。従来型スプリングの寿命が5000発なのに対し、デュアルスプリングは15000発もの耐久力を確保している。
一方、信頼性を重視した旧来のデザインも随所に見られる。トリガーホールは無く、マガジンは信頼性の高いウィルソンコンバット社製の7連マガジンを採用している。近年登場したシングルカラム1911用8連マガジンは、7連と比べてジャム、スライドストップ不良などの懸念があるためである。
民間向けモデルは当初「M1070 CQBP」の名で販売されたが、現在のカタログではRail Gunシリーズの"M45A1 MARINE PISTOL"として販売されている。
スライド左側面の刻印は軍用モデルの「USMC」から「M45A1」に変更されている。同仕様のブラックモデルは"COMBAT UNIT RAIL"と銘打たれた。
なお、ベースモデルとなったRail Gunは「M1911・アンダーマウントレイル付モデル」の意味で、当然ながら電磁加速銃・電磁投射砲とはなんの関係もない。
こちらは市販型のM45A1と共に「Rail Gunシリーズ」の一角を占めている。M45A1とほぼ同等の仕様となっているが、ステンレスフィニッシュ、通常タイプのグリップパネル、8連マガジン採用、3ホールトリガーなどの点が異なる。また、9mmx19モデルも存在する。
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