コルト ダブルイーグル / Colt Double Eagle 【自動拳銃】 †

　ダブルイーグルは、コルト社が1989年に発売したダブルアクションの自動拳銃である。同社のシングルアクション自動拳銃「M1911」シリーズをベースに開発された。

　マガジンは1911同様のシングルスタックで、スライドはファイアリングピン・ロックを有するシリーズ80のものがほぼそのまま流用された。一方フレームにはデコッキングレバーを有し、マニュアルセイフティを廃するなど、当時の近代的セルフローディングピストルの特色を採り入れていた。
　しかし、機構の一部がグリップパネルで固定されている等、無理矢理ダブルアクションメカニズムを組込まれた感が強い。また、少ない装弾数の割にフルステンレススチール*1ゆえかなり重いなど、登場した時期を鑑みると、80年代に登場したヨーロピアンオートと比べても時代遅れの構成であった。ユーザーからも「外見的な目新しさに欠けており、撃った時の感覚も最低だ」と酷評を浴びた。そのため、1991年にはマイナーチェンジが施された*2「Mk.II シリーズ90」に更新されている。
　口径は.45ACPの他、10mmオートと.40S&W、さらに9mmパラベラムと.38スーパーのモデルが用意され、コンパクトな「ダブルイーグル・コマンダー」と「ダブルイーグル・オフィサーズ」が存在したが、いずれも僅かな期間で市場から姿を消してしまった。