コルト ウォーカー / Colt Walker 【回転式拳銃】 †
モデル | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
M1847 | 394mm | 2.06kg | .44口径 | 6 | アメリカ |
---|
1847年に、アメリカ軍のサミュエル・ハミルトン・ウォーカー大尉とコルト社のサミュエル・コルトが共同開発した、黒色火薬を使用するパーカッション式シングルアクションリボルバー。
ベースとなったのはコルト パターソンだが、.36口径弾ではなく.44口径弾を使用する。
ウォーカー大尉は完成した銃を米墨戦争(1846〜1848年)で携行していたが、皮肉な事に銃が完成した同じ年に命を落としている。
「近接戦闘で強力な威力が発揮できる銃」というウォーカー大尉の要望により、各薬室には当時の典型的な黒色火薬式リボルバーの2倍の量となる60グレイン(3.9g)の火薬を詰める大型のシリンダーを持つ。
しかし、当然ながら大型化・重量増を招き、さらに発砲後にシリンダーが破損するという重大な問題が露呈する。薬室に大量の火薬を注ぎ、その上に弾丸を押し込むので、薬室口から火薬があふれる。この状態で発砲すると火花が他の薬室の火薬に引火してしまうのである。
この事故で300挺程の銃が工場に返却され、新しいシリンダーに交換された。暴発事故を防ぐため、火薬と弾を薬室に込めた後、ラードで薬室口を塞ぐ対処法がとられた。加えてコルト社は、各薬室に詰める火薬量を50グレインに推奨している。
また、ローディングレバーの固定方式に不具合があり、発砲の反動でレバーが下がってしまう問題も見られた。レバーが下がると、ラマー(突き棒)がシリンダー内に入って動かなくなり、即時の次弾発射が不可能になる。そのため、紐などでレバーと銃身をくくって固定する対処法がとられた。
1848年にはこれらの問題点を改善した後継機としてドラグーンが開発されることになる。
1847年と1848年に1,100挺が製造されたのみで、現在ではオリジナルモデルを入手するのは非常に困難である(2019年に米国の銃器オークションに出品された際は約100万ドルで落札された)。
現在はイタリアのウベルティ社がレプリカモデルの製造・販売を行っている。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。
コメントはありません。 Comments/回転式拳銃/コルト ウォーカー?