ベレッタ 90-Two / Beretta 90-Two 【自動拳銃】 †
2006年に発表された90-Two(ナインティ・ダッシュ・ツー)は、イタリアのベレッタ社が開発した自動拳銃「92」シリーズの改良モデルである。92シリーズとの最大の違いは外見面であり、自動車のデザインなどで知られるイタリア工業デザインの巨匠・ジウジアーロによる曲線的なデザインを取り入れているのが特徴。
新しいフレーム・スライドデザインは、ホルスターからの出し入れや衣服類へのひっかかりを考慮し、角は丸みを帯びたスナッグプルーフ加工が施されている。80年代的なセレーションの施されていたトリガーガードは、どちらかと云えばより旧来的なオーバルタイプに改められ、スライドストップも、新たなフレーム・スライドラインに合わせるためデザインが変更されている。
フレームは旧モデル同様にアルミ合金製で、スライドは燐酸被膜とブルニトン処理により防錆加工が施されたスチール製。バレルには、サンドブラスト処理とブルーイング処理(バレル内部はクロム鍍金仕上げ)が施されている。
内部機構は旧モデルとほとんど同様だが、チャンバー・インジケーターが新たに追加され、チャンバーに装弾されるとスライドから赤いタブがせり出す仕組みとなっている。
90-Twoシリーズは、旧シリーズのバーテックやM9A1などで見られたインテグラル(フレーム一体型)アクセサリーレールが標準装備されている。ただ旧モデルと異なり、専用のレールカバーが用意された。
グリップは射手の手のサイズに合わせて二種を選んで交換できる、インターチェンジャブル・スタイルを採用。グリップ部はモジュラーユニットになっており、各種グリップアクセサリーと交換が可能だ。
アイアンサイトには、スーパールミノヴァ加工(どんな暗闇でもブルーに発光する蓄光塗料)の3ダットが設けられている。これは、目的に応じて別のアイアンサイト(トリチウム式ナイトサイトなど)に随時交換できる。
マガジンは旧シリーズのものと共用も可能だが、マガジンフォロワ−を改良し装弾数が増加した新型が用意されている。また、従来のダブルカラムタイプ*1の他、装弾数10発のシングルカラムタイプも用意されている。
ちなみに90-Twoはバレルを交換することで.40S&W弾も使用可能なので、(M96に相当する)「90-Six」というモデルは存在しない。また機能の違いで、タイプFとタイプGの二種類が存在する。
2024年現在、90-Twoはすべてカタログ落ちしている模様。一方、90-Twoを旧92シリーズのルックスに戻した「92A1」というモデルが2010年に登場している。
アクセサリーレールを備えたフレームデザインは、同社のM9A1に酷似しているものの、フレームのディスアッセンブリーレバー周りの設計に90-Twoの特徴を残しているのが見て取れる。
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