ステアー ACR / Steyr ACR 【突撃銃】 †
全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
770mm | 3.23kg | 5.56mm fleschette | 24 | S/3(or F) | オーストリア |
1980年代末にアメリカ陸軍が行っていたACR(Advanced Combat Rifle/次世代戦闘銃)プログラムにおいて、オーストリアのステアー・マンリッヒャー社が試作、提出した「フレシェットファイアリングアサルトライフル」。「フレシェット*1」と呼ばれるダーツ状の弾体を発射する特殊な自動小銃である。
フレシェット弾は、貫通力と弾体重量を稼ぐための細く長い形状と、飛翔特性を向上させる安定翼が与えられた結果、矢そのものといった外形となっている。このためフレシェット弾が発砲時にバレル内を進む際は、「サボ」とよばれるカバーをガイドとする。サボはマズルから飛び出すと、4つにバラけて弾体から外れる仕組みである。弾速は従来の弾丸を大幅に超え1200m/s程に達する。フレシェット弾はこのサボと、さらに弾体と炸薬全体を包むシリンダー状のプラスチック薬莢でワンパッケージとなっている。この構造は、戦車砲の砲弾として使われるAPFSDS(装弾筒付き翼安定徹甲弾)とほぼ同様のものである。
銃本体は、同社製のAUGと似たブルパップスタイルの外形をもち、軍用AUG A1同様にスコープを標準装備としている。ただし、特殊な弾丸を使用するため、内部の作動メカニズムは大きく異なっている。特徴的なのは、通常前後運動を行うボルトが上下運動によって作動する点であろう。*2
プログラムでは最終的に、他社のものと合わせて4つの試作ライフル*3に候補がしぼられた。テストの結果、ステアーACRは兵器として有効であることは証明されたものの、幾つかの問題点*4もあった。それらの問題点も将来的には解決可能であると判断されたものの、最終的に他の候補ライフルと同様、プログラムの成功指標であった「M16A2より100%(2倍)高い命中率」とまでは至らなかったため、全ての試作ライフルの不採用とともに、ACRプログラムは終了している。
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