13日の金曜日 / Friday the 13th †
スプラッター映画というジャンルを形成したホラー映画の古典的作品。
13日の金曜日 (原題 FRIDAY THE 13TH) †
1980年、アメリカ映画
監督:ショーン・S・カニンガム
・ストーリー
アメリカの片田舎にあるクリスタルレイクキャンプ場。
ここでは1957年に湖で子供が溺死しその翌年にキャンプ協力員二人が何者かに殺害されるなど不吉なことが立て続けに起こり、住民から「血のキャンプ」と呼ばれ閉鎖されていた。
その後、会長のスティーブはキャンプ場を再開するために都会から何も事情を知らない若者たちを協力員として雇うことにしたが、
6月13日の金曜日、キャンプ協力員の一人アニーが来る途中に何者かに殺害され、嵐の夜他の協力員も次々殺害されていく―――
・作品解説
「13日の金曜日」シリーズの記念すべき第1作。キャンプ場で殺人鬼によって次々と若者たちが殺されていくというストーリー展開はその後の続編でも踏襲されている。
13日の金曜日PART3 (原題 FRIDAY THE 13TH PART III) †
1982年、アメリカ映画
監督:スティーブ・マイナー
・ストーリー
前作でジニーの手によって死んだと思われていたジェイソンは実は生きていた。
手始めに商店の夫婦を殺害した彼は、次に何も知らずにクリスタルレイクへとやってきたクリスら若者たちに襲い掛かる―――
・作品解説
「13日の金曜日」の第3弾。
本作はキャンプ場に現れるホッケーマスクをかぶった殺人鬼という、パロディなどでおなじみのスタイル*1が完成した記念すべき作品であり、後のホラー映画にも大きな影響を与えた。
13日の金曜日 完結編 (原題 FRIDAY THE 13TH THE FINAL CHAPTER) †
1984年、アメリカ映画
監督:ジョセフ・ジトー
・ストーリー
前作の惨劇から数時間後の夜、ジェイソンに殺された犠牲者たちの遺体は警察によって回収され、斧を頭に叩き込まれたジェイソンの死体も検死の為に病院の死体安置所に入れられた。
だがジェイソンは死んではいなかった。医師と看護婦を殺害して病院を抜け出し、途中でヒッチハイカーを惨殺しクリスタルレイクへと向かう。
そして運悪くそこに住んでいたトミーらジャーヴィス家の住人や遊びに来ていた若者たちに襲い掛かる―――
・作品解説
シリーズ4作目にして「13日の金曜日」の完結作(となる予定だった)。そのため冒頭で過去のシリーズの映像が流れたり、タイトルに数字がつかなかったりとそれらしい作りがされている。なお本作は人間・ジェイソン・ボーヒーズとしての最後の作品となった。
新・13日の金曜日 (原題 FRIDAY THE 13TH PART V A NEW BEGINNING) †
1985年、アメリカ映画
監督:ダニー・スタインマン
・ストーリー
前作の惨劇から4年後、16歳となったトミー・ジャーヴィスはトラウマからジェイソンの悪夢に悩まされる日々を送っていた。
治療の為に精神病院を転々としていたトミーは、 社会復帰の準備の為にパインハースト青少年育成センターに入所。
しかしトミーが入所したその日に入居者同士による殺人事件が発生、そしてそれを境に連続殺人事件が発生する―――
・作品解説
シリーズ第5作。本作ではクリスタルレイクのキャンプ場以外の場所が舞台となり、ジェイソンに代わる新たな殺人鬼が登場するなどいくつかの設定が変更されているが、不評だったようで興行的に失敗する。次回作のPART6では本作の設定がいくつか元に戻り続編というよりもリメイクやリブートに近いものになる。
13日の金曜日PART6 ジェイソンは生きていた! (原題 FRIDAY THE 13TH PART VI JASON LIVES) †
1986年、アメリカ映画
監督:トム・マクローリン
・ストーリー
完結編でジェイソンを倒したトミー・ジャーヴィスはトラウマからその後も悪夢にうなされる日々を送っていた。
そのことに終止符を打つべく嵐の夜、トミーは友人のハーズと共に精神病院から抜け出してジェイソンを完全に葬り去ろうとする。
墓を掘り出すも、ジェイソンの死体を見て悪夢が蘇り思わず墓場の鉄柵を取り外して心臓の部分をめった刺しにするトミー。
そして死体を燃やそうと目を離したその時、稲妻が刺さったままの鉄柵に命中しそのショックでジェイソンが復活してしまう。不死身の怪物として復活したジェイソンは再び殺戮を開始するのであった―――
・作品解説
前作の「新・13日の金曜日」が興行的に不振だったことから、死亡したジェイソンを復活させるというご都合主義な展開を行ったシリーズ第6作。
本作のジェイソンは、ゾンビの様に体が腐敗し拳銃や散弾銃の発砲を受けても死なない怪物として登場。またシリーズで発砲シーンが初めて登場するなどアクションシーンが多くなっており、ホラー映画というよりもジェイソンという怪物を退治するアクション映画に近いものになっている。
13日の金曜日PART7 新たなる恐怖(原題 FRIDAY THE 13TH PART VII THE NEW BLOOD) †
1988年、アメリカ映画
監督:ジョン・カール・ビュークラー
・ストーリー
クリスタルレイクの湖畔に住む少女ティナは、感情が非常に高ぶると念動力が発動してしまう超能力者だった。
そのことが原因となり、ある日の夜にささいなきっかけから念動力を使ってしまい誤って父親のジョンを湖に沈めてしまう。
それから数年後、そのことによる精神的トラウマの治療の為に母親のアマンドと共にクリスタルレイクへと戻って来たティナは念動力を使って父親を湖から呼び戻そうとした。しかし、出てきたのは前作で湖の底に沈んだジェイソンだった!
再び殺戮を繰り返すジェイソンに対し、ティナはついに念動力を使い戦いを挑む。
・作品解説
超能力でジェイソンが復活してしまうという前作を超える荒唐無稽な展開を行ったシリーズ第7作。その点を除けば、クリスタルレイクに来ていた若者たちが次々とジェイソンの餌食になるというシリーズの基本的なストーリーに忠実な展開になっている。
なお本作ではシリーズで初めて自動拳銃が登場する。
使用者 | 銃器名 | 備考 |
ニック | コルト ガバメント | 机の引き出しにあったジョンの形見 護身用にティナから渡される |
13日の金曜日PART8 ジェイソンN.Y.へ (原題 FRIDAY THE 13TH PART VIII JASON TAKES MANHATTAN) †
1989年、アメリカ映画
監督:ロブ・ヘデン
・ストーリー
前作のラストで湖の底に沈んだジェイソンだったが、その数年後カップルが乗ったクルーザーの錨で切断されたケーブルからの電気ショックで復活。手始めにクルーザーのカップルを殺害し次にレニーらレイクビュー高校の生徒達が卒業旅行で貸し切りになっている客船ラザロ号に乗り込む。
嵐の中ジェイソンに次々と惨殺されていく生徒たち。嵐の中船は沈没するも、ジェイソンは生き残った者たちを追ってニューヨークのマンハッタン島に上陸する。
果たして生き残れるのは誰だろうか―――
・作品解説
シリーズの第8作で、タイトルにパート〜とつく最後の作品でありシリーズの一応の完結編(なおこの後作られた「ジェイソンの命日」と「ジェイソンX」は制作会社が違うためか、本作とのストーリーのつながりはなくジェイソンの設定も異なる)。
完結編とあってか、ジェイソンは生まれて初めてクリスタルレイクからの外出を体験。チンピラに絡まれたときに素顔を見せて追い払うという珍しい行動を行った。
13日の金曜日 ジェイソンの命日 (原題 JASON GOES TO HELL) †
1993年、アメリカ映画
監督:アダム・マーカス
・ストーリー
伝説の殺人鬼・ジェイソン・ボーヒーズが現れる湖近くのキャンプ場、クリスタルレイク。
ある日車で訪れた一人の女、そこに彼女を殺そうとジェイソンが現れる。
しかしそれはFBIの罠だった。待ち構えていた特殊部隊の総攻撃を受けてその身体はバラバラになり、遺体は回収され検死の為に死体保管所に運ばれた。
だがそこで異変が起こる。実はジェイソンは完全には死んではおらず検視官のフィルの身体を不可思議な力で乗っ取ってしまう。そして自らの完全な復活の為に行動を開始するのだった―――
・作品解説
シリーズの第9作。
今作品のジェイソンは今までのシリーズとは異なり、人間の身体を乗っ取って行動し、ある短剣を使わないと倒すことのできない超自然的な怪物という設定になっている。
またラストで『エルム街の悪夢』の殺人鬼・フレディ・クルーガーが少しだけ登場する。
ジェイソンX (原題 JASON X) †
2002年、アメリカ映画
監督:ジェームス・アイザック
・ストーリー
2008年、捕らえられ電気椅子や銃殺刑などあらゆる手段で死刑執行されるも驚異的な再生能力の為に死なず、その結果クリスタルレイク研究所で冷凍保存されようしていたジェイソンが、研究のためウィマー博士によってスクラントンに移送されようとした際に突如暴れ出す。
研究所の調査団の主任であったローワンはジェイソンを冷凍冬眠状態にすることに成功するものの、自身も誤って冷凍されてしまう。
それから447年後の未来。
第二地球からやって来て調査活動をしていたロウ教授らによってジェイソンとローワンが宇宙輸送船グレンデルに回収される。
グレンデル内のラボでローワンは蘇生されるが、大金に目がくらんだロウ教授によってジェイソンも蘇生されてしまう―――
・作品解説
マンネリ対策のためか、エイリアンを思わせるSF要素を導入したシリーズ最大の異色作。
ジェイソンが再生能力を持っているというのは本作のみの設定。
本作に登場する銃器は途中から未来が舞台になるため、映画オリジナルデザインのプロップガンになる。本ページでは実在の銃器のみを掲載。