シグザウエル P320 / SIG Sauer P320 【自動拳銃】

nolink,シグザウエル P320 Carry
モデル全長重量口径装弾数製造国
P320 Full Size/RX/TACOPS203mm833g9mm×1910/17/21/30+1アメリカ
.357 SIG
.40 S&W
10/14+1
.45 ACP10+1
P320 Carry/TACOPS Carry183mm751g9mm×1917/21/30+1
.357 SIG
.40 S&W
14+1
.45 ACP10+1
P320 Compact/RX Compact183mm737g9mm×1910/15/30+1
.357 SIG
.40 S&W
10/13+1
.45ACP9+1
P320 SubCompact170mm708g9mm×1912/30+1
.357 SIG
.40 S&W
10+1
.45 ACP6+1

 シグザウエルから2014年に発表されたストライカー式ポリマーフレーム自動拳銃。同社のP250をベースとしている。
 登場当初は注目度の低い拳銃であったが、2017年に改修モデルがアメリカ陸軍MHSトライアルを通過し、M9拳銃を置換すると発表され注目を浴びた。

 スライド・フレーム・トリガーユニットなどを交換可能なモジュール設計であり、用途に応じた様々なサイズ・口径マガジンで構成可能になっている。元となったP250とバレル、マガジン、グリップモジュール(フレーム)を共有しており、グロック拳銃に近い操作感*1を有する点も同様(本銃のモジュール構造はP250を参照)。
 フレームサイズはフルサイズ、コンパクト、サブコンパクトの他、コンパクトの全長・銃身長でフルサイズのグリップ・装弾数を持つ「キャリー」がラインナップされている。なお現在サブコンパクトモデルはサブコンパクトに特化したモジュラーピストル、P365の登場により廃盤となっている。

 米軍への採用が決定したM17(フルサイズ)・M18(キャリー)モデルは以下のような仕様が追加されている。
 ・フレーム・スライド共にFDEカラー
 ・リフレックスサイト用スライドカット
 ・アンビサムセイフティ
 ・ローデッドチャンバー・インジケーター
 ・分解時に小さなパーツを脱落しにくいモジュール構造スライド
 ・砂塵や泥の侵入を防ぎやすいトリガーユニット
 ・薄肉・軽量となったトリガー

 また、米軍にはシグザウエル社からこの拳銃用に使用される二種類の9mm弾薬(XM1152 FMJ弾、XM1153特殊用途弾)も新しく供給される事が決定している。

 その他、2015年にタイ警察に15万挺の調達があったほか、アメリカ移民・関税執行局(ICE)の新制式拳銃としても採用予定である。

 2017年には、落下時の暴発問題が取り沙汰されている。これはテキサス州ダラス市警が落下時の暴発対策に疑問を持ち、一時的な使用を停止したことに始まる*2
 この事実が流出し、有志によって検証実験が行われ、ごく特定の条件で暴発する結果が示された。シグ社はP320は世界各国のあらゆるテストに合格しており、安全性に問題はないと見解を示した*3ものの、旧型の肉厚トリガーを持つモデル(トップ画像のもの)を対象にM17と同じ軽量トリガーへの改装とディスコネクターの追加を無償でユーザーへ提供するアップグレードプログラムを実施している。*4

 従来のフレームに当たるグリップモジュールはメカ自体をトリガーモジュールに収めているため、サードパーティーによるグリップモジュールの設計自由度は非常に高いものとなっている*5。その自由度からFire Control Unit(FCU)社のX-01やFLUX Defense社のMP17のようなピストルカービンタイプのグリップモジュールも登場している。特にFCU社は本銃のトリガーユニットを使うAR15も開発中であり、プロトタイプがショットショーに展示された。

 近年では日本国内にもP320シリーズの遊戯銃が出回って来ているが、実銃用グリップモジュールの所持で逮捕者が出ている。グリップモジュールが銃刀法で部品を組み込めば実銃が組み上がる「フレーム」として見なされるためだ。

登場作品ジャンル使用者備考
APB ハイテク捜査網TVドラマツートーン
大型のコンペンセイターとフラッシュライトを装備
作中企業の新開発テーザー・ピストルという設定
ROPPEN -六 篇-漫画佐和田 太一M18
バイク搭乗時
横撃ちで発砲
グレイマン項目参照
ゴーストリコン ブレイクポイント項目参照
コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア項目参照
ジョン・ウィック チャプター2項目参照
バトルフィールド 2042項目参照
名探偵コナン項目参照

このページの画像はSIG SAUER社から転載しています。
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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • マガジンは専用なの?他の社内品使えたりしない? -- 2017-07-03 (月) 23:17:18
  • ベースになってるP250とは共用だけど。他は使えないね。 -- 2017-07-03 (月) 23:37:07
  • P320、ストライカーの部分から地面に落とすと暴発してしまう問題があるたいですね。SIG社はM17/18では対策済みで問題ないと言ってるみたいだけど…… -- せっさい? 2017-08-10 (木) 21:06:06
  • 今結構話題になってますね。
    まぁトリガーユニットの問題なのでMHSモデルは解決されているのは事実でしょう(実際軍のドロップテストは通過しています)が、今後の民間用はどうなるか見ものですね。
    今回の発端になった警察署にはM17相当のトリガーアップグレードを無償提供(あくまで問題修正のためではなく、お詫びとしてとのこと)するそうですが・・・ -- 2017-08-10 (木) 21:26:07
  • あー置き換えはアメリカ陸軍のみなのか

    海兵隊なんかではしばらくM9A1とM45A1の併用が続きそうね -- 2017-09-25 (月) 20:36:40
  • フィラデルフィアの鉄道警察でまた暴発、至急グロックに切り替えるそうな。改修前の個体だったのか、それとも改修しきれてないのか -- 2019-09-12 (木) 13:44:07
  • 当の警察自身の調査で銃本体に問題なしとされてる事件の話とかされましても... -- 2019-09-12 (木) 18:18:54
  • 落下暴発の件、ついに集団訴訟にまで発展しそうですね https://news.militaryblog.jp/web/SIG-Sauer-sued-group-class-action/due-to-defect-of-P320-drop-fire.html -- 2019-10-03 (木) 01:13:38
  • そうですね、って提訴して半年経って音沙汰なしじゃ「しなさそうですね」の方が正しいかと思いますが...日本じゃあないんですから。 -- 2019-10-03 (木) 07:06:17
  • カナダ軍がC22の名前で採用した模様。https://www.cbc.ca/news/politics/canadian-forces-handgun-sig-sauer-p320-1.6610477 -- 2022-10-13 (木) 21:58:03
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*1 グロックやその後追い製品にはトリガーセーフティが搭載されているが、P320には装備されていない点が異なっている。
*2 http://news.militaryblog.jp/web/SIG-Sauer-P320-recall/issued-by-Dallas-Police-Department.html
*3 http://news.militaryblog.jp/web/Is-SIG-P320-safe_Some-people-conduct/drop-test-under-DPD-announcement.html
*4 http://news.militaryblog.jp/web/SIG-began-offering-voluntary-update/to-improve-safety-for-P320-dropping.html
*5 グリップモジュール自体はマガジンキャッチを除いて一体のプラスチックであるため。

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Last-modified: 2024-02-29 (木) 19:12:14 (50d)