フォステック オリジン 12【散弾銃】 †
モデル | 銃身長 | 全長(ストック展開/折畳時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
Origin 12 | 18.5in | 920/705mm | 4.13kg | 12ゲージ(2 3/4インチシェル) | 5/8/10 20/30 | アメリカ |
---|
Origin 12 SBS | 9.75in | 698/473mm | 3.4kg |
---|
Origin 12 SBV |
---|
アメリカのフォステック社が2013年に開発したセミオートマチックショットガン。
アメリカ市場で大人気を誇ったAKタイプ散弾銃のサイガ12だったが、2014年の大統領令によりロシア製銃火器の輸入が禁止されると、その需要ゆえアメリカでの国産化の動きが進んだ。
その中でも、本銃はサイガ12を参考にしつつ、これを性能で上回るアメリカオリジナルのモジュラー散弾銃として設計された。
動作方式はAK・サイガ12同様のロングストローク・ガスピストン方式であるが、サイガ12よりも更に巨大なレシーバーに大型のボルト・ピストンロッド・ガスレギュレーターを備える。給弾もサイガ12同様の脱着式ボックスマガジンである。
レシーバーは大半にポリマーを使用、ボルトも大型ながら肉抜きが施されることで給弾信頼性を確保しつつ軽量化が施されている。
これによりサイガ12より更に幅広い弾薬に対応可能となったほか、ガスレギュレーターのポートがコンペンセイターとして機能するよう設計されており、ガス量の多い強力な弾薬ほど効果的に反動を軽減する。
折り畳み式のストックもレシーバー上端を基部として銃全体を下に抑え付けるように配置されており、これによって反動によるマズルクライムを抑え込みやすいデザインとなっている。
その信頼性の高さとガス圧調節幅の広さから動作速度を極めて高速に設定することが可能であり、フォステック公式では「地球最速のショットガン」の売り文句で販売されている*1。
コントロールはよりアメリカ向けのAR15に近いものとなり、グリップ上のアンビセレクター、右のみだがボルトリリースを備え、(標準の)サイガ12と異なりボルトホールドオープンが可能である。
マガジンリリースはトリガーガード内に伸びるレバー式となっており、グリップを握ったまま操作可能な配置となっている。
チャージングハンドルは射撃時非連動型、ハンドガード左上に配置されており、大型のハンドルは手袋の着用時にも操作しやすいサイズとなっている。排莢口にはAR15と同じくダストカバーも装備されている。
バックアップサイトにはダイアモンドヘッド社製フリップアップサイトを標準装備する。
ハンドガードには上下2面、左右に取り付け式のピカティニーレールを備え、グリップはAK47・サイガ12互換のものが使用可能となっている。
バレル・ガスシステム・ハンドガードが一体となったモジュール構造となっており、これによりAR15のようにバレル長の異なるアッパーへと簡単に換装できる設計である。
専用のマガジンは5・8・10連のバナナマガジン、20・30連のドラムマガジンがラインナップされている。サイガ12のラインナップを踏襲したものだが、フィードリップを中心に構造は独自のものとなっており、互換性はない。
また、独自構造の機関部とマガジンのため大型の3インチシェルは装填不可能となっている。
18.5インチバレルの基本モデルをベースとして、バリエーションに9.75インチバレルを備えたSBS(Short Barrel Shotgun)、SBV(Short Barrel Variant)がある。
SBSモデルはその名の通り短銃身モデルであるが、SBVはストックではなくアームブレイスを標準装備とすることでSBSの所持に必要なライセンス登録を不要としたモデルである。
しかしながらSBVモデルについては、2019年12月にATF(財務省・アルコール・タバコ・銃火器取締局)によってライセンスを要する規制対象火器として再定義され、現在は販売中止・リコール対象となっている。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。