ミネベア 9mm機関けん銃 †
陸上自衛隊の空挺部隊向けとして開発され、1999年に採用された護身用機関拳銃(ドイツ語"Maschinenpistole"の直訳)。略称は「M9(エムナイン)」。名称の一部が「けん」とひらがな表記なのは、2010年まで「拳」が常用漢字でなかったため(ただし最近の陸自のHPでは『拳』の表記になっている)。 第一空挺団などの精鋭部隊も含む複数の部隊が、時代遅れともいえる設計の本銃を使用する*1理由は定かでない。特にこの手の小型フルオート火器には付き物のストックが無い点に関しては諸説あり、自衛隊PKO派遣に対する非難への妥協案として、政府が派遣部隊の装備は機関銃数挺と護身用拳銃のみに制限したため、貧弱な装備を問題視した防衛庁が制約をかいくぐるため、一般定義的には短機関銃とみなされる本銃を「ストックが無いから機関『拳銃』*2」であると主張し、護身用拳銃としてPKO派遣部隊に持たせたという説がある。しかし2001年の東ティモールPKO派遣や2003年のイラク復興支援の際、自衛官らが本銃を装備していたという証言や情報が無かったことから、これも有力な説とは言い難いようである。 性能については未知数であるが、ボディがプレス加工ではなくアルミ合金材から削り出し加工で製造されているため、サイズの割には重い。もっともこれは備え付けのフォアグリップと相まってある程度反動抑制に効果はあると思われる。少数調達であるため値段は1挺44万6千円*3とこのレベルの自動火器としては非常に高価である。 現在は、海上自衛隊の護衛艦の立入検査隊や航空自衛隊の基地防衛教導隊などでも配備されている。陸上自衛隊では、空中機動旅団である第12旅団、海兵隊的な存在の西部方面普通科連隊などで中隊長が装備している。一方、海自の特別警備隊では、すでに高性能機関けん銃に切り替えている。
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