H&K MSG90 【自動小銃(狙撃銃)】 †

　ドイツのH&K社が同社PSG1をベースに再設計し、1987年にリリースした軍用向けの半自動狙撃銃である。MSGとは"Militärisches Scharfschützen Gewehr"(Military Sharpshooter Rifle:軍用狙撃銃)の略である。
　半自動ながら高い着弾精度を実現したものの、実際の運用面で問題のあったPSG1を、より実際的な運用に合わせて再設計したモデルである。
　PSG-1からの改善点は多く、標準のバイポッドを備え、ストックはより軽量で調節範囲の広いものとなった。スコープは換装可能なものとなり、バレルは形状を工夫*1することでベースとなったPSG-1と同等の精度を維持しつつ軽量化されている。またトリガーパックはG3系列のものとなっており、必要であればフルオートにも対応可能となった。

　1997年にはアメリカ海兵隊のDMR計画に参加するため、バレルにねじきりを備えてフラッシュハイダーやサプレッサーに対応し、ケースディフレクター、とHK21タイプのバックアップアイアンサイトを追加したMSG90A1が登場している。
　最新のMSG90A2モデルではバイポッドの変更などでやや軽量化された。2016年現在では唯一H&K社のカタログに残るG3系ライフルとなっている。

　しばしばベースとなったPSG-1の廉価版である、またその為性能で劣るという説があるが、実際にはPSG-1のリリース後、十分な年月を重ねて改善・低価格化された改良モデルである。
　アメリカ陸軍のデルタフォースやグリーンベレー、アメリカ海軍SEALs、日本の海上自衛隊に属する特別警備隊(SBU)などを始め、世界各国の軍や法執行機関に導入されている。

外部リンク †

・H&K MSG90 ムービー