モデル | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
GP25 | 323mm | 1.5kg | 40mm×102 | 1 | ソビエト |
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GP30 | 276mm | 1.3kg |
1960〜70年代に旧ソ連で研究開発された擲弾発射器。兵士から「Small Artillery(小型砲)」と呼ばれる本器は、西側のM203同様、東側の主力ライフルAK47シリーズの銃身下部に装着できるよう設計されたもの。
元々はソ連軍参謀本部情報総局(GRU)の特殊作戦部隊(いわゆる「スペツナズ」)による要望で、屋内突入時の事前準備を省略するための、ドアや窓の破壊用火器(ドアブリーチング)として開発された。アフガニスタン侵攻当時、初めてその姿が見られたさいには「BG-15」と呼称される初期モデルが、AK74用アドオン式ランチャーとして配備されていた。後に本生産モデルとして「GP-25」が登場し、塹壕や掩蔽壕、稜線に隠れた目標の攻撃用として、一般部隊にも配備された。
口径は西側と同じ40mmだが、薬莢式ではなく、発射用の推進薬を弾本体に備えた一種の迫撃弾である。砲口部から装填する前装式で、ダブルアクショントリガーで撃発する。弾体はあくまで擲弾であり、飛翔中に噴射・加速することはない。
弾頭には、通常の破片榴弾(VOG15。後に改良型のVOG25)の他にも、着弾して一度跳ねた後に空中で破砕するVOG25P、煙幕を発生させるGRD40シリーズ(他にもGRD50、GRD100、GRD200があり、後ろの数字が射程メートル)などが用意されている。
なおいずれも至近安全装置が組み込まれており、50m未満の距離では着発信管が作動しない。代わりに時限信管によって、約15秒後に炸裂する。
GP25は1970〜80年代に歩兵用火器としてソ連軍に配備され、アフガン侵攻時からその姿が多く見られた。のちに改修型の「GP30」が登場してからも2001年からのアフガニスタン、イラクでの戦争に至るまで、相当数のGP25が使い続けられていると見られる。
1989年に登場したGP30は、小型軽量化を施したことで大きく外観が変化したモデルである。フルサイズのAKシリーズ*1とニコノフ突撃銃に、無加工で装着できる。装填済みの擲弾を押し出すピンを改修した「GP30M」というモデルも作られている。
またイジェマッシ社では、GP25の正統進化型とも言える「GP34」が作られている。GP25と非常に似通った外見だが、曲射用クアドラントサイトが左から右側面に移設された点と、装填済み擲弾の押し出しピンを操作するレバーが設けられている点で判別できる。
ちなみにGP25は「Kostyor(かがり火)」、GP30には「Obuvka(靴)」の愛称がある。
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