タンペレーン・アセパヤ ヤティマティック / Jatimatic 【短機関銃】 †
全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
385mm | 1,650g | 9mm×19 | 20/40 | 600〜650発/分 | S/F | フィンランド |
銃器愛好家のJali Timari(ヤリ・ティマリ)が設計し、1980年代にフィンランド・タンペレ市のタンペレーン・アセパヤ(Tampereen Asepaja*1)社が製造していた小型短機関銃。
携帯性と操作性を重視して設計されており、MP5Kなどのようにショルダーストックを装備していない。
作動方式は一般的なオープンボルト式ストレートブローバックだが、ヤティマティックのバレルはボルトの軸に対して上方7°に傾いており、銃口をまっすぐ構えるとボルトが上斜めから降りてくる形となる。このため、連射時には2発目以降、下方へと移動するボルトの運動エネルギーによって銃口の跳ね上がりを抑えるという仕組みである。
他、折りたたみ式のフォアグリップがコッキングハンドルを兼ねており、これを引き起こすと即座に発射可能になる。また、トリガーを浅く引くとセミオート、深く引くとフルオートにて射撃を行うプログレッシブ・トリガーを採用している。マガジンも、スウェーデン製カールグスタフ M/45と互換性がある。
この様に数々のユニークな試みが盛り込まれているSMGだが、前述通り特異なレイアウトの割に肝心のマズルジャンプ抑制効果は連射時にしか効果を発揮しないなど問題も多く、既に法執行機関向けにはMP5が普及していた1980年代において商業的にはあまり成功しなかった。
1983年から1987年頃までタンペレーン・アセパヤ社で製造されていたが、小型で隠しやすいことからフィンランドのギャングに好まれたようで、同社から盗まれたヤティマティックで事件が起こったのをきっかけに製造中止、タンペレーン・アセパヤ社は最終的に倒産している。
1995年からは若干の改修を施された「GG-95PDW」がフィンランドのゴールデンガン社によって製造されている。中国の国営196廠では各種サイト用にピカティニーレールや、サウンドサプレッサー対応バレルを搭載、7.62x25mm弾仕様も用意された本銃のコピーである「411冲鋒槍」、そのセミオート版「411型9mm半自動歩槍」を製造している。
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