H&K HK33 【突撃銃】

H&K HK33A2
モデル全長(縮小時)重量口径装弾数発射形式製造国
HK33927(720)mm3900g5.56mm×4520/25/30/40S/F/2/3ドイツ
HK53755(563)mm3000g
HK93927mm3900g5.56mm×4520S

 1960年代にH&K社がMP5と同時期に開発した、G3のスケールダウンモデル。G3と同様のローラーロッキングボルトやディレイドブローバックのメカニズムがそのまま組み込まれている。使用する弾薬が.308から.223口径となったことから、発砲時のリコイルはよりマイルドになり、銃本体も、剛性はほぼそのままでG3よりも軽量・小型となっている。G3の素性の良さを引き継ぎつつも、G3よりも扱いやすいモデルである。

 グリップやトリガーグループ、バットストック?MP5シリーズと共用で、フラッシュハイダー部には、ライフルグレネードや銃剣を装着するためのスロットが設けられている。銃身下にはG3用アドオンのHK79A1擲弾発射機が装着可能だ。基本は25発マガジンであるが、30発や40発仕様のマガジンも存在し、M16のマガジンを共用するための改造用キットも存在する。
 
 HK33は、NATOやイタリアなどのトライアルに参加するものの、それらの制式ライフルとしての地位には届かず、自国西ドイツもG3をすでに採用していたことからか、同じ機構の本銃に食指を動かさなかった。しかし、決して低くない性能と売り込みで世界各地の正規軍、警察機構で使用されることとなり、現在でもタイ陸軍の制式採用アサルトライフルはこのHK33である。
 アメリカ軍などはベトナムへの本格的武力介入の当初、まだ制式採用されたばかりで問題点の多かったM16よりも信頼を置ける存在であるとして、潜入作戦を行う特殊部隊(主として海軍のSEALや海兵隊のフォース・リーコンなどの精鋭部隊)にこの銃を支給していたようだ。
 このように性能や普及度では他の突撃銃と比べて決して見劣りしないHK33だが、日本国内では兄弟銃のG3、MP5の知名度に圧されてマイナーなイメージで知られる。

 70年代までのモデルはアメリカ軍の制式弾薬であるM193に合わせて設計されていたが、1980年以降はNATO制式弾薬のSS109を使用するよう再設計され、HK33Eとモデル名も改められた。またEモデルと同時期に、イタリア軍の新世代制式銃のトライアルに参加する過程で、発展型であるG41が開発されている。

 HK53は1970年代半ばに開発された、HK33のコンパクトモデルで、銃身を20cm強にまで切り詰め、短機関銃クラスにまでダウンサイジングしたモデルである。トリガーやストックはおろか、フォアエンドもMP5と同様のもので、H&K社自身、「短機関銃」のカテゴリーでHK53を販売していた。ライフル弾を発射する短機関銃(に相当するライフル)ということで、軽便かつ強力な火器を求める各国の軍・法執行機関の特殊部隊で採用された。
 HK33のバリエーションとはいえ、ライフルグレネードや銃剣は装着できない。また極端に短い銃身長ゆえ、HK79A1も装着不可である。初期のモデルは、HK33同様の鳥篭形フラッシュハイダーを装備していたが、後期のモデルでは、高い消炎効果をもつ、G36Kのものに似た四つ又ハイダーが装備された。
 
 2000年代前半までは、輸出向けにHK33、HK53シリーズともに、H&K社のラインナップに存在したが、同社がG36やHK416といった新しい.223口径ライフルを、同クラスの主力に据えたことで、製品ラインナップからはすでに外れている。
 近年では中東に展開するイギリス軍の海兵隊員や特殊部隊員がHK53を使用しているようだ。   

モデル名仕様
(HK33/HK33E)A2固定ストック
(HK33/HK33E)A3スライドストック
(HK33/HK33E)A53点バースト追加。スライドストック
(HK33K/HK33KE)A2カービンタイプ。固定ストック
(HK33K/HK33KE)A3カービンタイプ。スライドストック
HK33SG1スナイパーライフル仕様
HK33TGSHK79を装着したモデル
(HK53/HK53E)A2固定ストック
(HK53/HK53E)A3スライドストック
HK53MICV車輛の銃眼に取り付けて使用する、ガンポートモデル
HK93アメリカ市場向けスポーターモデル*1
 
登場作品ジャンル使用者備考
Angel Beats!項目参照
Avalon 灰色の貴婦人項目参照
F.R.A.T./戦慄の武装警察映画ティルマンの手下A2
G41かも
ラストの銃撃戦で使用
アリスの照星項目参照
今そこにある危機項目参照
うぽって!!項目参照
エロイカより愛をこめて項目参照
キック・アス項目参照
合法都市漫画受付に護身用として設置
ザ・サード項目参照
ストリートファイター項目参照
スポーン項目参照
セレニティー映画ジェイン架空プロップガン
スコープ装着
ゼロイン(作品名)項目参照
デッドライン(2004年)映画テロリストA3
地下駐車場ではレーザーサイト装着
ナウィンの仲間A3
ラストの銃撃戦で使用
パコン警部同上
トゥームレイダー項目参照
バトルフィールド2 ユーロフォース?項目参照
バトルフィールド 3項目参照
フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い映画SWAT隊員A2
スコープ装着
終盤で1発使用
ブレイド項目参照
優しい鷲JJ漫画ボート小屋の地下の武器倉庫に置いてあった
遊星からの物体X項目参照
リベリオン -反逆者-?項目参照
ルーザーズ項目参照
レオン項目参照
ローグアサシン項目参照

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 『ランボー・怒りの脱出』では、密輸業者の1人が所持(発砲シーンはなし)。 -- 2018-04-08 (日) 18:08:17
  • こいつを一言で表すとG3の5.56mm版ってこと? -- 2018-04-08 (日) 20:50:59
  • 『ランボー』第1作では、ティーズル保安官が、森林地帯に於いての捜索の際に所持。 -- 2018-05-21 (月) 13:09:10
  • ランボーの1作目と2作目に登場してました
    ・1作目はティーズル保安官が、山中で使用
    ・2作目は水賊が所持してました
    (どっちもランボーの項目に書いてありました)
    (できればこの項目の登場作品のとこはランボーという風にしてください)
    (どら -- 2018-07-10 (火) 16:40:28
  • >↑2 口径に合わせてダウンサイジングした結果、機関部の全体的なサイズもMP5と同じになった。だから、『5.56ミリの小型版G3』とでも言うべきか…… -- 2018-07-28 (土) 18:02:43
  • テレビアニメ「RobiHachi」の8話に登場。ホシローが使用。発砲シーンあり。同話に登場した他の銃はおおむね作画が安定していたので特定できましたがホシローの持つ銃だけは作画が安定せず、シーンごとに形状が違ったので中々判断できませんでした。なので全体の形状と止め絵になるシーンからHK33と判断しました。違うと思われますのなら、反映 されなくもかまいません。抗議はいたしません。 -- 2019-06-04 (火) 22:52:58
  • 貼られている画像のものにはキャリングハンドルと二脚が装着されていますが、これはHK33の標準装着品なのでしょうか? -- 2020-01-12 (日) 03:13:05
  • 標準装備ではないです。キャリングハンドル・バイポッドともG3やHK33に装着可能な純正のオプションパーツですね。 -- 2020-01-12 (日) 20:20:21
  • THE 歩兵2〜戦友よ先に逝け〜で4種類登場、それぞれゲーム内名称でHK33A2、HK33A3(モデルはスライドストックモデルのA3だが外見は固定ストックのA2)、HK33A3S(サイレンサー装着モデル)、HK33EASNIP(スコープ装着恐らくモデルはSG1?)。 -- 2023-03-23 (木) 06:52:57
  • 今野 敏の小説シリーズ特殊防諜班 連続誘拐において新人類委員会の傭兵が使用しており主人公の真田 武男も傭兵から奪い使用していました、作中だとH&Kアサルトカービンと書かれており空挺部隊用の突撃銃と説明されている。 -- 2023-05-03 (水) 20:38:14
お名前:

*1 セミオートオンリー、パドル型マガジンキャッチをプッシュボタン式へと変更、ロアレシーバーの結合方法をダブル・プッシュピンタイプからクリップ・アンド・ピンタイプへと変更(容易なトリガーパックの変更の防止)など

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