86式自動歩槍 【突撃銃】 †
開発は中国北方工業公司(ノリンコ)。輸出を前提に、56式を基にして作られたブルパップ式の突撃銃。
木製部品は使われず、新たにキャリングハンドルやフォアグリップが取り付けられている。また、V字型に切られたフラッシュハイダーはFish lips(魚の唇)ともいわれ、銃身先端には銃剣を取り付けることも可能。輸出用ということもあって、AKの面影を感じさせない未来的なデザインになっている。構造に関しては機関部をそのままバックストック部に移しただけなので、AK47やAKMと共通の部品も多い。
コピー品ばかり作っていたノリンコにしては珍しく独創的な銃だったが、これまた粗悪品ばかり作っていたノリンコらしく精度も散々だったとか。無理矢理ブルパップに仕立て直したことによる操作性の悪さは言うまでもなく、ステアー AUGなどの様に排莢口を左右に切り替えることができず、左利きの射手には扱いづらい。また、後部に移動した機関部とトリガーまでの距離が長く、トリガープルが重い。勿論、エッジの処理もおざなりで、手を切らないように注意しなければならない。
形だけは目新しいが、ブルパップ化にあたって相応の技術が用いられなかったせいで、欠点ばかりが目立つ銃になってしまった。後に登場し中国軍の制式となるブルパップ式突撃銃、87式・95式の試作品といった意味合いが強いようだ。
今ではノリンコのカタログからも消えてしまっているが、1980年代後半にアメリカへ多く流入したらしい。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。