ラインメタル FG42 / Rheinmetall Fallschirmjägergewehr 42 【自動小銃】 †
第二次大戦時、ドイツ降下猟兵(空挺部隊)用に開発された自動小銃。
大戦序盤、ドイツ降下猟兵はオランダやベルギーで降下作戦を行った。その時の経験から、軽装備が前提の空挺部隊には、主力小銃のKar98Kでは火力不足と判明し、火力を増大させるため自動式小銃を欲する様になった。この要求に対して兵器開発を統括する陸軍兵器局は、開発中だった短小口径弾(7.92mm×33)と、それを使用する突撃銃(Mkb42:後のStG44)の使用を提案するが、実績のない短小口径弾の性能に疑問を持った空軍は、独自に自動小銃を開発する事にした。
そして空軍総司令官でありドイツ軍副総統、ついでに軍需産業の総責任者であったゲーリングの肝煎りで、降下猟兵向けの仕様要求――従来の小銃弾が使用でき、長射程で取り回しが良く銃剣が装着可能。ついでに狙撃にも使える――を満たした自動小銃の開発を各民間企業に発注。数社から提出された試作銃を競合の結果、ラインメタル社の物が適当と判断されFG42(Fallschirmjägergewehr 42:降下兵小銃42年型)の名前で制式採用された。
こうして誕生したFG42だったが、新たな銃を生産ラインに割り込ませた物だから生産数はままならず、敗戦までの間に約5000〜7000挺程度しか生産できず降下猟兵全員が装備できるほど数は揃わない。そのうえ東部戦線で疲弊した陸軍の兵力不足解消に空軍野戦師団が創設されると、銃器不足のため軽機関銃代わりに引っぱり出される始末。更に当の降下猟兵が度重なる激戦で消耗してしまい大規模降下作戦ができなくなり、当初の予定通りに使われることは無かった。
なお戦後になってFG42を捕獲したアメリカ軍が、この銃を参考に自国向けの汎用機関銃の開発を行いM60を作り上げている。
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