ワルサー Gew43 (Kar43) / Walther Gewehr43 (Karabiner43) 【自動小銃】 †
19世紀末から各国で自動装填式小銃(半自動小銃)の開発が行われていたが、強力な弾薬を使用する小銃の自動化は困難を極めていた。ドイツ国内では1896年にモーゼル自動拳銃を完成させたパウル・モーゼルもこの課題の研究を進めていたが、決定打を見出せぬまま彼は1914年に亡くなってしまった。 しかし、自動式歩兵銃の開発を諦めなかったドイツ軍部は第二次大戦初頭の1940年にワルサー社とモーゼル社の2社に設計条件を提示して試作銃の開発を命じた。両社の銃はそれぞれGewehr41(W)・Gewehr41(M)として1942年から実戦投入試験が行われた。その結果、ワルサーのGew.41が制式採用となったが、その自動装填ガスシステム等による問題が多かったために軍部はワルサーにさらなる改良を促した。 Gew.43は1943年4月に制式採用されたが、量産が本格化したのは同年10月であった。生産はワルサー社、ベルリン・リューベッカー社、グストロフ社によって行われた。1944年4月以降は制式名が「Karabiner43」に変更されたが、銃のスペックに変更は無く「G.43」の刻印が「K.43」に変更されたのみである。 しかしながら急造の設計と低品質な材料・設備で量産されたため、機関部を逐一個別に精密に調製しなければ動作せず、同じライフルにも関わらずほぼ全ての個体で機関部パーツの共用性がなかった。そうして手間を掛けて調整した機関部も強力なフルサイズ弾の衝撃で歪んでしまい、動作不良を起こしやすかった。また初期のクリップ装填タイプの自動小銃に多く共通する性質だが、土や砂の混入には弱く、こうした外因の多い環境での動作不良の発生率は更に上がった。
動画 †このページの画像はシカゴレジメンタルスから転載しています。
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