ワルサー MP / Walther MP 【短機関銃】 †
モデル | 全長(伸長時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
MPL | 455(737)mm | 3300g | 9mm×19 | 32 | 550発/分 | S/F | ドイツ、フランス |
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MPK | 369(653)mm | 3150g |
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カール・ワルサー社が1963年に公開した短機関銃。『MPL』は『Maschinen Pistole Lang(:Long)』、『MPK』は『Maschinen Pistole Kurz(:Short)』の略。両者の違いは銃身長だけで、他のメカニズムは共通である。
ブローバックのオープンボルト撃発、テレスコピック・ボルトにより軽量・小型化を図っているといった点は当時の他の短機関銃にもよく見られる方式であるが、MPL/Kではバレル軸上方にボルトキャリアの大半を置く構造とすることでよりボルトの慣性による反動抑制を重視した設計となっている。また、ボルトハンドルはボルトキャリアと独立しており、射撃時に前後することがない。
こうしたデザインは、数年前に開発されたイタリアのフランキ LF56、LF57を参考にしたと考えられており、共通点も多いが、一方で当時としてはかなり先進的なアンビレバーセレクターなども実装されており、単純なコピーとはいえない内容となっている。
また、商業製品としては初めてサプレッサーをオプションとして用意した短機関銃ではないかと見られているが、巨大なボルトキャリアを用いるデザインのため動作音が大きく静粛性はそこまで高くはなかった。
当時の武器輸出制限により、西ドイツ国内で製造されたMPL、MPKは、西ドイツ海軍や西ベルリン警察など国内の軍・法執行機関にのみ供給されたが、国外へはフランスのマニューリン社に生産を委託することで制限を回避していた。ポルトガルのほか、メキシコ、ブラジル、ベネズエラといった中南米諸国にも輸出・採用されたが、3年後に登場した同じドイツのMP5が以後精鋭部隊の手で大々的に活躍することで大きくシェアを伸ばしていったため、商業的にはあまり成功しなかった。
一部がベトナム戦争時代SEALsに用いられたほか、経緯は不明だが1980年のイーグルクロー作戦においてデルタフォースにも一部MPKの使用者が確認されている。
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