大宇 K5 【自動拳銃】 †
1988年、韓国の大宇精密工業(現・S&T Motiv)社によって開発された「トリプルアクション*1」と呼ばれる独特のダブルアクション機構を備える自動拳銃である。基本は従来のダブル・シングル兼用だが、ベルギーのFN社製HP-SFSのSFS機構と同様にコック状態からハンマーを押し戻すことが出来、トリガーを引くと再びハンマーが起きて撃発を行う。しかしこの状態ではダブルアクションと異なり、ハンマースプリングはコック状態のため、DAよりも軽いトリガープルで引くことが出来る。
スライドの形状はアメリカのS&W社製59シリーズに近いが、グリップはイタリアのベレッタ 92シリーズに似たものとなっている。フレームは鍛造アルミ合金製。マガジンはK5用の標準マガジンだけでなくS&W 5906の15連発マガジンを装填可能。
大韓民国国軍および海洋警察庁に採用されており、主に憲兵や乗務員、将校の護身用として支給される。また、代理店やS&T傘下企業を通じて北米の民間市場でも販売されており、第一世代がDP51、第二世代がLH9、第三世代がREGULUS(レグルス)と呼ばれている。
DP51は軍用K5と同じ仕様で、大宇精密工業時代の90年代に輸出された。コンパクトモデルのDP51Cを始めとして各種派生モデルが展開された。(下図参照)
LH9はDP51の改良版で、S&T大宇(当時)傘下のライオンハート社が2011年から販売を開始した。アンビセーフティの装備やグリップの再設計、NOVAKサイトの装備などが施された。2022年時点でLH9は廃盤となっている。
レグルスは2016年にラインナップに加わったモデルで、LH9の発展型である。標準でマウントレールを備え、1911向けNOVAKサイトと同形状のフロントサイト、G10グリップを持つ。装弾数は18発と大幅に増加。また表面仕上げはセラコートが施されている。なお、レグルスの製造は北米で行われている。
世代 | モデル名 | 詳細 |
第一世代 | DP51 | K5と同じフルサイズモデル |
DP51C | DP51のコンパクトモデル。装弾数10発。 |
DP51S | DP51Cのスライドとフルサイズフレームを組み合わせたモデル |
DP40 | DP51の.40S&W弾モデル |
第二世代 | LH9(LH9N) | DP51の改良型 |
LH9C(LH9CN) | LH9のコンパクトモデル |
LH9 Mk2 | LH9のレール付モデル |
第三世代 | REGULUS Alpha | REGULUSのフルサイズモデル。ブラック仕上げ(Blackout)のみ。 |
REGULUS Beta | REGULUSのコンパクトモデル。ブラック仕上げの他、ブロンズ(Revel)とグレー(Urban)仕上げのモデルがある。 |
REGULUS Combat | REGULUSのサプレッサーレディ(ネジ付きバレルとハイマウントサイト)モデル |
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