エグゼクティブ・デシジョン / Executive Decision

1996年、アメリカ映画
監督:スチュアート・ベアード

・ストーリー
 イスラム過激派ナジ・ハッサン(デヴィッド・スーシェ)が、世界一殺傷能力の高い神経ガスDZ-5ともに、ワシントンD.C.行きのジャンボジェットをハイジャック。拘束中の指導者の解放を要求、応じなければ旅客機の400人の乗客とともにワシントンに突入すると、アメリカ政府を脅迫してきた。この危機を回避するため、陸軍情報部顧問グラント(カート・ラッセル)は、トラヴィス中佐(スティーブン・セガール)の率いる陸軍対テロ部隊と共に旅客機へ空中ドッキング、機内潜入を果たす。
 しかし、ドッキング中に輸送機が大破・墜落したため、危機対処委員会は特殊部隊の全員が潜入を果たせず、死亡したと思い込んでしまう。地上にいる4000万人の命を救うためには、アメリカ空域の手前で400人の乗客ごと旅客機を撃墜するしか選択肢はなかった―――。

・作品解説
ニューヨーク1997』のカート・ラッセルと、『沈黙シリーズ』のスティーブン・セガールの“2大スター”共演ということで、見る者が当然予想(期待)する展開が開始30分で覆されてしまう、先の読めない展開が秀逸な佳作。日本版DVDパッケージなどでは、両名が「いかにも」といった風情で顔を並べており、ますます観客のミスリードを誘っている。
 飛行中の旅客機に、空中ドッキングした上で乗り移る場面こそ現実離れしているが、ファイバースコープを用いての偵察・情報収集や、キャビン内への突入・制圧シーンなどは真に迫っている。作品の内容も、まだ記憶に新しかった1995年、東京でのケミカルテロ(地下鉄サリン事件)を色濃く反映している*1
 なお、タイトルの『エグゼクティブ・デシジョン』は「最終決断」の意味だが、「大統領命令」を意味する“executive order”とも引っかけてある。ワシントンを始め、アメリカ東海岸の4000万人を救うために、400人の乗客が乗った旅客機の撃墜命令を発するか、軍最高司令官たる大統領の「究極の選択」を暗示している。

 ちなみに、悪役ナジ・ハッサンを演じるデヴィッド・スーシェは、TVドラマ『名探偵ポワロ』シリーズのエルキュール・ポワロ役で有名なイギリス人俳優。本作ではメイクでアラブ系を思わせる顔立ちと肌の色をしているものの、大変皮肉なことに、スーシェ本人は父方の祖父がユダヤ系リトアニア人、母方の祖父がユダヤ系ロシア人と、ユダヤ系の血を引いている。
「デヴィッド(デイヴィッド)」という名も、「ダビデ王」にちなんだユダヤ系に多い名前であるが、これまた皮肉にも、本作では主役のカート・ラッセルの役名にとられてしまっている。

使用者銃器名備考
デイヴィッド・グラントイサカ M37ピストルグリップ
H&K USPサプレッサー装着
タクティカルライト装着
発砲無し
オースティン・トラヴィス中佐H&K MP5K-PDWサプレッサー装着
フォールディングストック装着
ラット大尉H&K MP5SD3
コルト M1911A1
マセニー軍曹
“キャピー”
H&K MP5A3サプレッサー装着
コルト M1911A1ホルスターに携帯
コリンズH&K MP5A3サプレッサー装着
ルイ軍曹H&K MP5A3サプレッサー装着
ベイカー軍曹コルト M1911A1ホルスターに携帯
英国諜報員ワルサー PPKサプレッサー装着
ジョージ・エドワーズ連邦航空保安官シグザウエル P228発砲無し
ナジ・ハッサンCZE Vz61
グロック 19
テロリスト69式ロケットランチャーキプロスで使用
AKS47
ハイジャック犯人AKS47
AKMS
FN FNC
グロック 19


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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • グラント博士はH&K USPを数発ですが発砲しています。 -- ホーグ? 2012-09-06 (木) 21:14:26
お名前:


*1 皮肉にも、本作公開の5年後、今度は旅客機を使ったアメリカ本土へのテロ攻撃が現実化してしまった。

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Last-modified: 2016-04-13 (水) 00:11:01 (591d)