リーダーダイナミクス T2 / Leader Dynamics T2 【突撃銃/自動小銃】

リーダーダイナミクス T2 MK5
モデル銃身長全長重量口径装弾数連射速度発射形式製造国
T2 MK316.125in965mm3.4kg5.56mm×4520/30700発/分S/Fオーストラリア
T2 MK5S
AR (スタンダード)16.25in910mm3.4kg5.56mm×4520/30650〜900発/分S/F
SAR (スタンダード)S
AC (カービン)10.5in755mm3.1kg5.56mm×4520/30750〜900発/分S/F
SAC (カービン)S
MP (ストックレス)10.5in520mm2.7kg5.56mm×4520/30750〜900発/分S/F
SAP (ストックレス)S
SP16.25in960mm3.4kg5.56mm×455/20S
SP2020in1045mm?kg
9mm カービン?in?mm?kg9mm×19?S
9mm ピストル?in?mm?kg?
9mm SMG?in?mm?kg??発/分S/F

 オーストラリアのリーダーダイナミクス社及びAAA社(Australian Automatic Arms)が1970〜1990年代に製造していた自動小銃。リーダーダイナミクス社の銃器設計者 チャールズ・St・ジョージによって1978年に設計された。
 T2ライフルはオーストラリア初の純国産自動小銃であり、当初は海外輸出向けの安価な銃という側面が強かった。また、1980年代にオーストラリア軍制式ライフルだったL1A1 SLRを更新するべく実施されたトライアルでは、軍用に改修した突撃銃モデルが提出されている。結局、このトライアルで制式ライフルの座を勝ち取ったのはステアー社のAUGで、F88の名称で制式採用されることとなった。
 1983年、リーダーダイナミクス社は倒産し*1、同社が所有していたパテントは別の銃器製造会社 AAA社に売却される。T2ライフルはAAA社によって改良が施され、名称も変更となった。民間向けセミオートモデルは1996年まで販売されていたが、販売数は少数にとどまっている(アメリカへの輸出数も2000挺にも満たない)。

 作動方式はアーマライト AR18ショートストローク・ガスピストン方式を参考にしているが、T2ライフルは“小規模な生産設備”と“低コストでの製造”を両立するため、極めてシンプルな設計となっている。ボルトヘッド(ロッキングラグ)は他の多くの自動小銃で見られる歯車型ではなく、ウィンチェスター M100(自動小銃)のものに似た三角形型を採用。これは、三角形型の方が構造がシンプルで、製造コストが安価で済むからである。
 コッキングレバーはH&K社のG3のようにハンドガード左上部に設けられ、発砲時にはボルトと連動しないよう設計されている。フラッシュハイダーは、初期のCAR-15のものに似た円筒形状だが、消炎効果が低く、AR15のバードケージタイプのものに交換するユーザーが多かったという。
 レシーバーはスチール製、ハンドガード・グリップ・バットストック?はプラスチック製と木製の2種類。各種光学サイトのマウントを兼ねたキャリングハンドルは固定式で、アイアンサイトでの照準を阻害しないよう穴が開けられている。リアサイトは100m/200m/300mの3段階で調節が可能。

 薬室と弾倉挿入口の設計が不十分な為、給弾不良や排莢不良が起きやすいという欠点があったが、AAA社製では改善されている。その他の改善点としては、ボルトヘッドの形状を小変更(歯車型のものも少数ながら試作された)、キャリングハンドルの廃止、コッキングレバー操作用の溝にホールドオープン用ノッチの追加、バードケージタイプ(AR15)のフラッシュハイダーの標準装備、セレクターレバーをAR18やAR15と同じものに変更、等が行われた。

 弾倉は、リーダーダイナミクス社製及びAAA社製ともにM16/AR15互換のものを使用するが、前者は20連、後者は30連を標準としていた。

 ちなみに、T2ライフルの内部構造を流用したブルパップライフル「M17S」が後年になって開発されている(詳細は、ブッシュマスター M17Sを参照)。

バリエーション

モデル特徴製造会社
T2 MK1スポーツ・ハンティングモデル。セミオートのみ
ハンドガードライフルバットストック?が木製
ピストルグリップは無い
リーダーダイナミクス社
T2 MK2MK1に似ているが、詳細な違いは不明
T2 MK3スタンダードモデル。セレクティブファイア
ハンドガード・グリップ・バットストックがプラスチック製
T2 MK4MK3のカービンモデル。セレクティブファイア
T2 MK5MK3のセミオートモデル
T2 MK6MK4のセミオートモデル
AR (Automatic Rifle)スタンダードモデル。セレクティブファイア
リーダーダイナミクス社のT2 MK3に相当する仕様
AAA社
SAR (Semi-Automatic Rifle)スタンダードモデル。セミオートのみ
リーダーダイナミクス社のT2 MK5に相当する仕様
AC (Automatic Carbine)ARのカービンモデル。セレクティブファイア
リーダーダイナミクス社のT2 MK4に相当する仕様
SAC (Semi-Automatic Carbine)SARのカービンモデル。セミオートのみ
リーダーダイナミクス社のT2 MK6に相当する仕様
MP (Machine Pistol)ACのストックレスモデル。セレクティブファイア
SAP (Semi-Automatic Pistol)SACのストックレスモデル。セミオートのみ
通称“タスマニアデビル”
1994年にAWBが発行されるまでに、アメリカに700挺のみ輸出された
SP (Sporting Purpose)スポーツ・ハンティングモデル。セミオートのみ
リーダーダイナミクス社のT2 MK1に相当する仕様
SP20 (Sporting Purpose 20)SPの銃身を20インチに変更したモデル
9mm カービンSACの9mmモデル。セミオートのみ
固定式ストック
9mm ピストルSAPの9mmモデル。セミオートのみ
ストックレス
9mm SMGACの9mmモデル。セレクティブファイア
ストックの有無は選択可能
 
登場作品ジャンル使用者備考
マトリックス項目参照
レックレス・ケリー/向こうみずで行こう!映画銀行員キャリングハンドルが無いので、AAA社のSAC

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • よくわかんないけどなんか好きなフォルム -- 2016-10-27 (木) 18:06:05
お名前:

*1 T2ライフルの生みの親であるチャールズ・ジョージは、前年の1982年にリーダーダイナミクス社を去り、新たにアームテック社という銃器製造会社を設立している。

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