マウザー M1910 “ポケットピストル”/ Mauser M1910 "Pocket Pistol" 【自動拳銃】 †
M1910はドイツのマウザー社が1910年に開発したストライカー方式の小型自動拳銃である。改良モデルのM1914やM1934は、第二次世界大戦中にドイツ国防軍で使用された他、民間市場でも販売されていた。 作動方式はシンプルブローバック。スライド前方で銃身が露出したオープントップデザインだが、後年のベレッタ M1934などと違い、排莢孔は別途設けられているのが特徴。スライドストップ機能はあるが手動のリリースレバーは無く、一度ホールドオープンすると新しいマガジンを入れない限り、スライドを戻すことができない。安全機構として、トリガー後部左側にはマニュアルセイフティとセイフティ解除用のボタンを有する。また、マガジン未装填時に撃発をブロックするマガジンセイフティを備える。マガジンリリースレバーはグリップ底部にある。グリップパネルは側面から背面までを覆う一体型で、初期は木製だったが後期モデルではプラスチック製も使われている。 構造上、M1910は特殊な分解手順をとる必要がある。まず空のマガジンを入れ、スライドを引いてホールドオープンさせる(その後、マガジンは外す)。次にダストカバー先端にあるラッチを回して、銃身を固定しているロッドを引き抜き、銃身を外す。再び空のマガジンを入れてスライドストップを解除し、スライドを前方に引き抜くことで分解させることができる。 最初のモデルであるM1910は、.25ACP弾を使用する。グリップの背面はストレートタイプ。フレーム左側にトリガーシア組み込み用のラッチがある初期生産モデルは「サイドラッチモデル」とも呼ばれる。「M1914」は使用弾薬を.32ACP弾としたモデルで、サイズが一回り大きくなっている。「M1934」はM1914の小改良モデルで、グリップの背面がラウンドタイプに変更されている。M1914とM1934は部品の互換性がある。
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