スナイパー(2002年) / Liberty Stands Still
2002年、アメリカ映画
監督:カリ・スコッグランド
・ストーリー
イタリアのベレッタ社と双璧を成す、アメリカ最大の銃器メーカー≪マクロード社≫。夫が社長、自身は副社長という肩書きを持つリバティ・ウォラス(リンダ・フィオレンティーノ)は、余暇を利用して劇場を訪れていた。
ホットドッグスタンドに寄って劇場へ入ろうとしたその時、携帯電話が鳴り、レーザーサイトの光が胸に当てられる。電話をかけてきた人物はジョー(ウェズリー・スナイプス)と名乗る男。彼は、ホットドッグスタンドと自身の足を手錠でつなぐようリバティに指示する。そして「携帯電話のバッテリーが切れると、ホットドッグスタンドにしかけた爆弾が爆発する」と告げるのだった。
ジョーの目的は、ある銃乱射事件の犠牲になった幼い娘の無念を晴らすこと。銃を所持した若者が学校内に侵入し、無差別に発砲を始めたのである。その事件で使われた銃はマクロード社の製品で、そのために会社の副社長であるリバティが標的にされたのだ。皮肉なことにリバティを狙っている銃も自社製ライフルであった。
銃を以って銃社会に復讐する、という矛盾の果てに見えるものは―――
・作品解説
主演のウェズリー・スナイプスは『ブレイド』シリーズなどアクション俳優として有名だが、本作ではビルの一室でほとんど動かないという珍しい役を演じている。
また本作に登場する銃器は全てマクロード社(McCloud Industries)という架空銃器メーカーの製品、という設定になっている。これは映画のテーマが「銃社会を批判する」内容なので、現実にある銃器メーカーを特定させないための措置だと思われる。