7月14日、パリ祭当日、午後6時にすべては始まった。フランス特殊部隊のラボリ中尉達はアルバニア・マフィアのボス、アベディン・ネクセップの護送任務に就いていた。しかしネクセップの奪還を目論むマフィアの襲撃を受け、護衛は壊滅。からくも窮地を脱して逃げ込んだ先は、ストラスブール郊外の工業地帯にあるコンテナヤード。ところが、そこには既にナセール、サンティノ達窃盗団が入り込んでいた。通信手段は窃盗団によって切られた後。孤立無援の状態で、ラボリ達は再びマフィアの包囲・襲撃を受ける。
ただ偶然そこに居合わせた他にはなんの接点もない特殊部隊、窃盗団、そしてヤードの警備員ルイ。彼らは生き延びるため武器を取り、共に戦うこととなる。しかし繰り返される襲撃の中、仲間達は一人また一人と倒れ、次第次第に追いつめられていく。
多勢に無勢、救援は望めず、弾薬も次第に尽きていく。絶体絶命の死地『スズメバチの巣』から、果たして彼らは脱出することができるのか――。
近年元気の良いフランスアクション映画の中でも、激烈な銃撃戦で図抜けた傑作。中盤・終盤の銃弾の嵐は、公開時のキャッチコピー「12000発喰らえ。」も決して大げさとは言えない凄まじさである。
内容的には、建物内に閉じ込められての攻防戦や、複数のキャラクターのドラマが一カ所に収斂していく演出などに、ジョン・カーペンター監督の『要塞警察』の影響が垣間見える。本家『要塞警察』も近年『アサルト13 要塞警察』のタイトルでリメイクされたが、異形の暗視ゴーグル?で顔を隠した姿無き敵(セリフさえほとんど無い)の不気味さなどは、むしろこちらの方がオリジナルに近い。
そして、アクション面ではオリジナルをはるかに凌駕。各人の装備がバラバラだったりと妙なところもあるものの、中盤の攻防戦で見せる特殊部隊の動きや(声を出さない)ジェスチャーによるコミュニケーションは、かなりの本格派である。
サイドアームにリボルバーや散弾銃を装備している所なども、ちょっとフランス的かも。
なお、邦題の『スズメバチ』とは映画冒頭でも紹介される狩人バチのこと。このハチに捕らえられたクモは巣に閉じ込められ、生きながら幼虫のエサにされてしまう。
コンテナヤードに閉じ込められ、徐々にむさぼり食われる主人公達に、その姿を重ね合わせたタイトルなのだ。
使用者 | 銃器名 | 備考 |
エレーヌ・ラボリ | GIAT ファマス | G1 ダットサイト(?) フラッシュライト |
ベクター CP1 | ハーフシルバー 発砲無し | |
ジョヴァンニ | シグ SG552 | 冒頭ではアタッシュケースに収納 |
マニューリン MR93 | 3インチ 天井に向けて撃つ | |
グロック 17 | 発砲無し | |
ヴィンフリード | ステアー AUG | レーザーサイト(?)装備 |
ベネリ ノヴァ(NOVA) | ソードオフ ベンチレーテッドリブ装備 | |
サンティノ | 水平二連ショットガン | ソードオフ |
シグ SG551 | ラボリから渡される スコープ レーザーサイト装着 敵からも奪う | |
タウルス リボルバー | セリムの物? | |
ナセール | モスバーグ M500 | ソードオフ |
S&W M586 | 4インチ | |
セリム | タウルス リボルバー | S&W M10タイプ 特典DVDでタウルス製と紹介(形式不明) |
ベクター CP1 | ラボリの物 発砲無し | |
ナディア | モスバーグ M500 | ソードオフ ナセールの物を戦闘で使用 |
ルイ | ボルトアクション ライフル | 形式不明 特典DVDでは「口径9mm」と紹介 |
S&W M586 | 4インチ | |
S&W M686 | 4インチ 敵から奪う 発砲無し | |
武装マフィア部隊 | H&K USP?(未確認) | サプレッサー レーザーサイト装備 映画オリジナルプロップ? |
IMI ウージー? | サプレッサー レーザーサイト装備 | |
シグ SG551 | − | |
コルト AR15A2 | ラストでナセールを見つける レーザーサイト(?)装備 | |
護送部隊 | シグ SG551 | − |
警官隊 (ラストの救援部隊) | コルト XM177E2タイプ | コマンドータイプ? バレルがかなり短い 発砲無し |
コルト M635 | コルト XM177のSMG(9mm口径)版 発砲無し |
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