全長(伸長時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
330mm(590mm) | 1.6kg | 9mm×18 | 10/15/20/25/40 | 650発/分 | S/F | ポーランド |
ポーランドのラドム造兵廠が特殊部隊・空挺部隊向けに開発した短機関銃。1963年に制式採用された事から『wzór(ヴィゾール)63』と命名された。
カテゴリーとしてはSMGに属するが、一般的なボルト式ではなく、自動拳銃のようなスライド式を採用している。このため、一見すると大型の自動拳銃のようにも見え、『Wz63ピストル』と表記している文献もある。実際、ポーランドでは『ピストーレット・マジョノーイ(Pistolet Maszynowy):機関拳銃』を略して『PM-63』とも呼ばれていた。
大きな特徴は、スライドの一部が『ツノ』のように大きく前方に突き出していることである。これは上部が大きく切り欠かれており、発射ガスを上方に吹き上げて銃口の跳ね上がりを防ぐ、一種のコンペンセイターの役目を果たす。さらにこのツノを壁や体の一部につけて押し込めば、一緒にスライドが後退しコッキングされる(一種のプッシュ・ロッディング)。これにより、パラシュート降下中の空挺部隊など、両手が空いていない状況でも容易に戦闘準備をする事ができる。
他にも、折り畳み式のフォアグリップや、発射速度を抑えるレートリデューサーを組み込むなど細かい工夫が盛り込まれており、この種の小型SMGとしては反動も小さい。トリガーの引き具合でセミ、フル切替が可能であり(半分引くとセミ、引き切るとフル)、多少の慣れは必要なものの、使い勝手は非常に良かった。(但し、後退量の大きいスライドがフェイスシールドに当たりやすい、激しく動くアイアンサイトで狙いがつけにくい、ツノ状のマズルデバイスに干渉してサイレンサーが付けられない等の警察用としては致命的な問題があり、後継のPM-84では一般的なUzi風のスタイルに戻されている)
Wz63はその性能を認められ、ポーランドの軍・警察の他、東ドイツ、ベトナム、キューバなど当時のワルシャワ条約機構内各国にも採用・輸出された。しかし、小型で隠し持ちやすく、高性能であることから、スコーピオンやVz58等と共にテロリストにも悪用され、1982年に起こったロンドンのイスラエル大使襲撃事件でも使用されている。
非常にユニークなアイデアを盛り込んだWz63だが、ポーランドのNATO加盟に伴い、9mm×19口径の新型SMG・PM-98と交代しつつある。
一方、他国ではノリンコが本銃のコピーを82式衝鋒槍の名で生産している。また、どのような経緯で入手したものか、イラク戦争のTV報道の中で、民兵(?)がこの82式を掲げているシーンが映し出されたこともあった。
余談ながら、この銃がメディアに登場する際によく見られる「落とし穴」がある。それはスライドの位置である。
Wz63はオープンボルトなので、当然、上の画像のようにスライドが後退した「スライドオープン」の位置で発射可能となるのだが、その自動拳銃に似た外観の所為か、スライドが前進した『弾が出ない』位置でこの銃を構えるという間抜けなシーンが見られる。東西冷戦の最中に開発された共産圏の武器であり、今でも参考となるべき資料が少ない為そのようなミスは無理もないが、正にクリエイター泣かせの銃と言えるだろう。
なお、漫画『ブラック・ラグーン』5巻で、「ウージーのパチもん」といったコメントがあったが、共通点はグリップがマガジン ハウジングを兼ねているところくらいで、全くの別設計である。あくまでも外見からくる第一印象と割り切った方がよいだろう。
モデル | 特徴 |
Wz63 | 1963年に採用された小型SMG。上記通り特殊部隊や空挺部隊を中心に配備された |
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82式衝鋒槍 | 中国製コピー |
Wz70 | 1971年に試作された9mm×19弾仕様。需要不足のため本格的な生産には至らなかった |
Wz73 | 9mm×17弾仕様。部品交換で元の9mm×18弾を使用可能。いくつか試作されたが不評だったらしく、開発中止命令が出された |
登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
学園キノ | − | − | 項目参照 |
ガンスミスキャッツ | − | − | 項目参照 |
コール オブ デューティ: ブラックオプス | − | − | 項目参照 |
コール オブ デューティ ブラックオプス コールド・ウォー | − | − | 項目参照 |
ジオブリーダーズ | − | − | 項目参照 |
新ワイルド7 | − | − | 項目参照 |
デルタ・フォース | 映画 | テロリスト | スライド前進のまま |
パイナップルARMY | − | − | 項目参照 |
百万人の殺人形而上学 | − | − | 項目参照 |
ブラック・ラグーン | − | − | 項目参照 |
ランボー3 怒りのアフガン | − | − | 項目参照 |
猟犬 | 小説 | 李星和 梁強剛 | 411式サブマシンガン |
ルパン三世 | − | − | 項目参照 |
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