300 BLK(.300 AAC Blackout)弾

 サプレッサーの開発・製造で知られるアメリカのAAC(Advanced Armament Corporation)社が2010年にレミントン・ディフェンス社の協力のもとで開発した弾薬。メートル表記では7.62mm×35。本弾薬はAR15プラットフォームにおいてサプレッサーを使用しながら、高威力・高貫通力・静音性を兼ね備える弾薬として同社のハニーバジャーとともに開発された。
 亜音速弾と超音速弾が開発されており、前者は基本的には低速重量弾で低伸性は劣るものの、飛翔中にソニックブームを発しない静粛性とボディアーマーに対する高貫通力を両立している*1。後者はAK47で使われる7.62mm×39弾と同等かそれ以上の弾道特性を持っている。
 .300 BLK弾の薬莢のリム径は5.56mm×45弾と同寸であるため、ボルトは5.56mm弾用のものがそのまま使用できる。テーパーが強く同じマガジンを使えない7.62mmx39弾、使えても装弾数が減ってしまう6.8mmSPC弾等の従来の中口径弾薬と違い、AR15互換の5.56mm弾用マガジンをそのままの装弾数で使用可能である。
 また短銃身で使用しても銃口エネルギーが低くならず、9インチバレルから超音速の125grの弾を発射した場合でも14.5インチのM855と同じ銃口エネルギーを持つ。同条件で弾が440mまで達した場合.300BLKが僅かにM855をエネルギーで上回っているように、5.56mm弾と比べ遠距離においてエネルギーが失われにくい。弾頭が重いので横風に対しても有利となる。この特性から本弾薬を使うハニーバジャーは6インチ、シグ MCX ラトラーはわずか4.5インチという短銃身を実現している。

 元々は軍、とりわけ特殊部隊を意識した弾薬であるが、民間においてもAR15プラットフォームから大幅な改造をすることなく7.62mm×39並みのパワーを出せるために人気がある。

 .300BLK弾と5.56mm弾とで高い互換性があるために、それぞれ違う弾の銃に装填し暴発させてしまう事故も発生している。この危険を避けるため、.300BLK用と分かりやすく色分けや刻印がなされたマガジンが各社から販売されている。同時に、本来5.56mm用であるマガジンを.300BLKに特化させ作動安定性を高める設計を行っているものもある。


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  • 「遠距離においてエネルギーが失われにくい」、ってあるけど所詮有効射程で小口径高速弾に劣る事に変わらないし、壁貫通後の残存エネルギーが高くても人体への放出効率も良くないものなぁ… -- 2023-07-17 (月) 14:58:10
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*1 ただし亜音速220gr仕様の銃口エネルギーは600J台とライフル弾としては低め。

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Last-modified: 2020-08-28 (金) 00:01:45 (1371d)