メタルストーム MAUL / Metal Storm MAUL 【散弾銃】

上:M4に装着したMAUL、下:スタンドアローンモデルのMAUL
全長重量口径装弾数発射形式製造国
816g12ゲージ5Sオーストラリア

 MAUL(Multi-shot Accessory Underbarrel Launcher)は、オーストラリアのメタルストーム社が開発したセミオートマチック散弾銃である。その名のとおりライフル/カービンの銃身下に装着して使用する前提だが、スタンドアローンでの運用も可能である。

 MAULはメタルストーム社がこれまで開発してきた兵器"メタルストーム"の設計を散弾銃に落とし込んだものだ。これは同社のスタックド・ラウンド(Stacked Round)という技術で、12ゲージ相当の5発の弾薬が、銃身内に炸薬と交互に縦列に詰められている。銃身は弾倉を兼ねるとともに、いわば薬室と薬莢の機能を併せ持つ構造だ。これを最前部から電気着火し、排莢無しに順に発砲していける仕組みである*1
 撃発用の電源はトリガーガードの前方に収納した乾電池から供給される。弾薬は5発がワンパッケージのチューブに詰められ、これを本体前方から2秒とかからず装填できる。マガジンチューブが銃身を兼ね、従来の機械的な連発機構を廃した恩恵により本銃は並外れて軽量であり、アンダーバレルアタッチメントとして用いた際の負担の軽減が期待される。

 想定される用途は従来の軍・法執行機関向け散弾銃と同様のもので、市街地での軍事作戦、ドアブリーチングと室内のクリアリング、警護任務、法執行機関や国境警備部隊での作戦、暴徒鎮圧などとなっており、弾薬もこれら用途に則した殺傷性のバックショットやスラグショット、または低致死性弾等が使用できる。

 2010年には、パプアニューギニアのコレクショナルサービス(囚人への矯正教育機関)が、500挺のMAULと50000発の低致死性弾薬を納入する契約を結んだ他、アメリカではXM320MGL(M32)M26 MASSベレッタのCKER、FNFN 303などと共に検証を受けていたらしい*2

 

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  • ttp://www.policemag.com/channel/weapons/articles/2010/05/reinventing-the-shotgun.aspx←このページをみると、機構部分が少ないからジャミングは起こさないって担当者が言い切ってるね。 多分、不完全燃焼を起こしてもフューズとかと同じで発火出来ないような構造になってるんじゃないの。 -- 2014-11-13 (木) 13:08:18
  • 弾が残ったらどうするんだろ メーカーに送れば再装填してくれるのかな? -- 2014-11-14 (金) 15:22:56
  • [] -- John? 2014-11-14 (金) 17:38:07
  • ↑凄い勢いでミスりました・・・。 「バレルがマガジンを兼ねる」という事は、傍から見れば「ショットガンと黒いパイプみたいなものを沢山持ってるおじさんに見える」って事ですかね(苦笑) -- John? 2014-11-14 (金) 17:41:32
  • 構造的にジャミング(弾詰まり)は起こらないでしょうね。排莢も装填もしないので。問題は不発弾ですが、銃本体の電池から直接電気着火してるあたり、普通の弾薬のような雷管や薬莢の不具合と言うことも少ないでしょう。リロードや弾薬の切り替えが他のショットガンと比べて面倒そうなのが気になるところですが。 -- 2014-11-14 (金) 22:42:31
  • ↑リロードは慣れるまで大変そうですね この銃。 -- 2014-12-07 (日) 14:27:49
  • 装弾数5発、弾の不発その他何らかの異常があったら、バレルもろとも交換して使い捨てる…ですか。合理的と言って言えない事はないか、な? -- 2014-12-08 (月) 03:10:09
  • 電気着火はそれはそれで電池切れとか液漏れとかショートとかのトラブルが出てくるし ショートして5発いっぺんに着火したら手首から先がなくなるだろうな -- 2015-04-05 (日) 00:05:17
  • まぁ、逆に言えば従来の作動方式で起こる弾詰まりや作動不良は電気着火方式なら起こらないですしね。可能性の模索としては面白い銃だと思います -- 2015-04-24 (金) 23:49:19
  • 今のところ、西側の公的機関で採用した組織はないのでしょうか? -- 2023-01-02 (月) 21:32:46
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*1 メタルストームが発表するには、この機構は2009年4月24日には完成していたようだ
*2 International Infantry & Joint Services SMALL ARMS SYSTEMS Symposium, Exhibition & Firing Demonstrationのレポートによる

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Last-modified: 2016-04-13 (水) 00:06:14 (3161d)