| 全長(ストック付) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
| 206(546)mm | 947g | 9mmx19 | 18+1 | S(/3) | ドイツ |
H&K社が開発した自動拳銃。専用ストックを取り付けることによって3点バースト射撃が可能な機関拳銃にもなる。
第二次大戦末期、物資欠乏気味となったドイツ軍は、生産数不足を補うため工作技術が低くても大量生産が可能な単純安価な銃の制作を数社に依頼した。依頼を受けた会社のひとつであるマウザー社は、国民誰もが購入できる安価な普及型拳銃をコンセプトに、『Volks Pistole(独語、国民拳銃の意)』を設計した。そして終戦後の1970年代になって、H&K社がVolks Pistoleの設計思想を元にしてリメイクした物がこのVP70である。
同社製品としてはやや例外的な『VP70』という形式名も、『Volks Pistole』の頭文字を採ったものだ。
VP70はもともとの国民拳銃のコンセプトとはやや異なり、自国もしくは同盟国で使われることよりも、主に技術や資金に乏しい第三国への輸出を狙ったものだ。盛り込まれたアイディアこそ凝ったものだが、「(諸外国向け)国民拳銃」とでもいった比較的安価で簡素な拳銃となっている。
生産性をあげるために構造の簡素化が行われ、部品点数の多いショートリコイルではなく、ストレートブローバック方式を採用している。そのためにスライド後退を遅らせる目的で、スライドを大きくして重量を稼いでいる(VP70が非常に特異な形をしているのはこのため)。他にも、ポリゴナルバレルのライフリングをわざと深く彫り込んで、その隙間から発射ガスの一部を逃がすといった細工もなされている(そのため、他の9mmx19口径の銃と比べると発射初速が若干低い)。また、フレームの材質にプラスチック素材を採用することでコストを抑える事に成功し、後のポリマーフレーム拳銃の先駆けとなった。
もっとも肝心の射撃性能はと云うと「大きすぎ、重すぎ、ダブルアクションオンリーでトリガーが重く命中率が悪い」と評判は芳しくなく、バースト射撃も連射間隔が早すぎて反動が大きく、とても扱えたものではなかった。結局、モロッコはじめアフリカや南米の数カ国の軍・警察がわずかに採用したのみで、商業的には失敗に終わった。
余談だが、アメリカ軍制式拳銃トライアルにおいては弾薬の質が悪かったこともあり、1/5の確率でジャムを引き起こしたという素晴らしい経歴を持っている。
なおこのVP70には厳密に云うと2つのモデルがあり、ホルスターを兼ねたストックを装着する事で3点バースト射撃が可能な「VP70」と、ストック装着部分を省略してバースト機能を廃止し、セミオートのみに制限した「VP70Z」がある。この『Z』は"Zivil(英:Civilian)"の略で民間用という意味である。VP70は軍・警察機構向けのモデルであり、のちに「VP70M」というマイナーチェンジモデル(画像下)が登場している。こちらの『M』は軍用を示す"Milit醇Br(英:Military)"のイニシャルである。その他の民間モデルでは、米国向けとして9mmx21弾仕様のものが400挺のみ生産されている。
| 登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
| Thing-Thing? | − | − | 項目参照 |
| イノセント・ヴィーナス | − | − | 項目参照 |
| エイリアン | − | − | 項目参照 |
| ガンスミスキャッツ | アニメ | ナスターシャ・ラディノフ | VP70 |
| ガンスミスキャッツ | − | − | 項目参照 |
| ガンスリンガー・ガール | − | − | 項目参照 |
| ガンヘッド | 映画 | ニム軍曹 | − |
| キノの旅 | − | − | 項目参照 |
| 刑事ニコ 法の死角 | 映画 | ニコ・トスカーニ | 立体駐車場での銃撃戦で使用 |
| ケネディ空港着陸不能 | − | − | 項目参照 |
| ジオブリーダーズ | − | − | 項目参照 |
| 進め！！ 聖学電脳研究部 | − | − | 項目参照 |
| 砂ぼうず | − | − | 項目参照 |
| ゼロイン | − | − | 項目参照 |
| ダイナマイト刑事（PS2版） | − | − | 項目参照 |
| 奪還 DAKKAN -アルカトラズ- | − | − | 項目参照 |
| トランスポーター２ | 映画 | ローラ | − |
| バイオハザード | − | − | 項目参照 |
| ポリス・ストーリー3 | 映画 | チャイバ | VP70 |
| マトリックス | − | − | 項目参照 |
| 女神異聞録 ペルソナ | − | − | 項目参照 |
| 闇のイージス | − | − | 項目参照 |
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