ハンマー(撃鉄) / hammer

 撃発用部品の一つで、ファイヤリングピンもしくは弾薬の雷管を叩く為の部品。ハンマーがファイヤリングピンを叩き、ファイヤリングピンが雷管を突くことで撃発される。ハンマーがピンを備えている場合はハンマーが直接雷管を叩いて撃発する。拳銃はもちろん、M16AKを始めとする現代歩兵銃の撃発部品としても一般的に使われている。一方、ハンマーを用いずにファイアリングピンが雷管を叩く撃発方式はストライカー式と呼ばれる。

 かつての回転式拳銃はハンマーにファイヤリングピンを備えているのが普通であったが、コルトが1960年代末に自社のダブルアクションリボルバーにセイフティ・コネクターを採用し、ファイヤリングピンをフレーム内に移して以降は、ライバルであったS&W社製リボルバーとの違いの一つと認識されていた。しかし、90年代半ばにはほぼ同様の安全装置であるトランスファー・バーによる撃発方式に変えたことから、コルトと同様にハンマーからピンが無くなった。
 
 射手の手で直接コッキングを行う露出式の場合ハンマーには、それを起こすために親指をかける突起が付いているが、これは鳥類の蹴爪に似ているところから、スパーと呼ばれる。懐から拳銃を咄嗟に抜き撃ちする場合はスパーがなにかに引っかかることもあり後述のような形状に工夫を凝らすなどして引っ掛かりを抑えている。
 逆に内蔵式の場合は直接ハンマーを操作することが無いため、スパーが省略される。なお内蔵式のハンマーはハンマーレスとも呼ばれる

拳銃用ハンマーの種類

  1. スパーハンマー
    蹴爪状のスパーを持つもの。後述のラウンドハンマーやリングハンマーなどと区別するために使用される。
  1. ラウンドハンマー
    抜き撃ちの際にスパーが引っ掛かりにくくなるようにスパー先端を丸く加工したもの。
  1. リングハンマー
    ハンマーの指掛け部をリング状に加工、あるいはハンマーに穴を開けたもの。ラウンドハンマーと同じく引っ掛かりの抑制の他、穴によりハンマーを軽量化して命中精度を高める目的もある。
  1. スケルトンハンマー
    ハンマーを外縁部のみで構成したもの。軽量なカスタムトリガーとして使用されることが多い。
    なお、リングハンマーとスケルトンハンマー両方の性質をもつものあり、線引きはやや曖昧な所がある。
  1. スパーレス(デホーンド・ハンマー)
    引っ掛かりを無くすためにスパーを設けていない、あるいはカットしたハンマー。内蔵式の他、ハンマー露出式の拳銃のDAO(ダブルアクション・オンリー)バリアントでもスパーレスハンマーとする。
  1. シュラウデッドハンマー
    内蔵式のハンマー、もしくはスパーの大部分をフレームで覆い最小限のみスパー露出させたハンマー。

 S&W製DAOリボルバーはM40の内蔵式ハンマーモデルやM49のようなシュラウデッドハンマーモデルなどスナッグフリー(引っ掛かり低減)モデルが存在する。一方コルト社製リボルバーにはそうしたモデルはなく、スパーが邪魔だと思う人は自分で切り落とすか、ハンマーを覆ってしまう専用のパネルを取り付けるしかない。
 


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • ハンマーはプライマーをつく部品ではありません。ので、全文変更しました。 -- 潤風満帆? 2005-11-10 (木) 16:34:43
  • 上記の通りハンマー(と言えないこともない部品)が直接プライマーを突く場合もあります。 -- 潤風満帆? 2005-12-04 (日) 18:28:25
  • スパーについて書いてみました。 -- cobra? 2011-06-26 (日) 20:07:24
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Last-modified: 2024-03-03 (日) 20:26:14 (54d)