US XM25 【擲弾発射器】 †
2003年にOICW計画が凍結された後、ランチャー部分のみを独立させて開発したブルパップ式擲弾発射器。XM29用として開発中だった20mmグレネードよりも一回り大きい、25mmグレネードを使用する。ガスオペレーションによるセミオート式ランチャーで、着脱式マガジンの採用により、一度のリロードでフル装填が行える。1挺当たりの単価は30,000〜35,000ドルといわれる。 本体上部の光学機器モジュールには、2xズーム光学照準器と4xズーム式サーマルサイトの他、エアバースト(空中炸裂型)・グレネード機構と連携するレーザー測距儀と環境センサー、そして弾道計算機が組み込まれている。これらによってターゲットまでの距離を計測し、そこからの炸裂距離を射手が設定すると、データが信管に入力される。発射された弾頭はこれに応じた旋転数に達すると爆発する仕組みだ。ターゲットを直線的な低伸弾道で攻撃するため、間接照準に必要な砲術的なスキルを必要としないのも特徴である。有効射程は最大で700mに達する。砲弾には空中炸裂型以外にも、サーモバリック弾や徹甲弾、フレシェット弾が予定されていた。 2010年からはアフガニスタンでのフィールドテストが行われ、XM25を装備した2つの部隊がそれぞれ異なるロケーションで、9回の交戦に遭い、本器を55回発砲した。交戦での米軍側の被害はなく、ゲリラによる2度の攻撃を撃破し、待ち伏せ地点の破壊や機関銃座の奪取に貢献するなどの戦果を記録している。40mmグレネードに比べ炸薬量が少ない割に重く嵩張ることについては不安の声もあったが、実戦部隊からの評判はおおむね好評で、現場からは「パニッシャー」の愛称をあたえられた。 2013年2月、実弾訓練中にXM25が暴発。安全装置によって弾頭が爆発することはなかったものの、薬室への二重装填によって雷管と推進剤が発火してしまった。この事故では、暴発を起こして破損した一挺は修復不能となり、扱っていた兵士一名が軽傷を負っている。
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