サーブ・ボフォース NLAW / SAAB Bofors Dynamics NLAW 【対戦車誘導弾】 †
全長 | 重量 | 射程 | 装甲貫徹力 | 装弾数 | 製造国 |
1020mm | 12.5kg | 20m~800m | 500mm*1 | 1 | スウェーデン イギリス |
スウェーデンとイギリスで共同開発された使い捨ての歩兵用撃ちっ放し式対戦車ミサイル。カールグスタフやAT-4の製造・開発で知られるスウェーデンのサーブ・ボフォース社が主設計を担当した。
NLAW(Next Generation Light Anti-Tank Weapon:次世代軽対戦車兵器)の他、MBT LAW(Main Battle Tank Light Anti-Armour Weapon:主力戦車軽対戦車兵器)の呼び名もある。
アメリカのプレデターと同様の慣性誘導方式を採用しているのが特徴。目標を直接追尾する能力は無く、射手が3秒ほど目標を追尾するとミサイルが自動で未来位置を予測しセットされたコースに従って飛翔する仕組みである(慣性誘導方式のメリットはプレデターの項目を参照)。
弾頭を使い分ける必要があったプレデターと異なり、戦車弱点である上面を狙うOTA(Overfly Top Attack:トップアタック)モード、建築物・非装甲車両向けのDA(Direct Attack)モードの切り替えが可能。ミサイルには近接信管及び磁気センサーを備え、OTA時には目標の1mほど上空へ向かって飛び、進行方向ではなく真下の目標に向かって炸裂、自己鍛造弾によって比較的脆弱な上面装甲を貫通する。射程は最大800mとプレデターより長射程となっている。
発射方式は無反動砲式。低出力点火システムと後方へ塩水カウンターマスを噴出するソフトローンチによって、ある程度の閉所からでも発射が可能。ミサイルは射出されて一定距離を慣性で飛翔後、メインロケットに点火する。
照準器にはトリジコンTA41 ACOGスコープが備えられている。NLAW専用モデルであり、倍率は2.5倍で逆シェブロンレティクルを持つ。
標的追尾機能が無いためジャベリンと比べ精度・射程は劣ってしまうものの、最短射程の制限が緩く、緊急時には即射も可能。また重量もフルセット22kgにも達するジャベリンに対し、12.5kgと軽量である。
2008年より完全生産が開始。スウェーデン・イギリス両軍に限らず、インドネシア・フィンランド・スイスでも採用された。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻では開戦直前の1月にイギリスよりウクライナへ2000門のNLAWが供与されており、ジャベリンに並んで大きな戦果を挙げている。
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