銃身長 | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
5in | 205mm | 930g | 9mm×20 Browning Long | 7+1 | ベルギー |
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M1903は、アメリカ人銃器デザイナーのジョン・ブローニングが1902年に設計し、ベルギーのFN社が製造していた、シングルアクション式の自動拳銃である。
同社による初の自動拳銃「M1900」に続く製品なので、別名「ブローニング No.2」とも呼ばれる。
ブローニングは、自身が設計した銃のパテントを、ベルギーのFN社とアメリカのコルト社の両方に売却している。そのため、コルト社からはM1903 ポケットハンマーレスという、ほぼ同じ設計の銃が製造・販売されている。しかし、.32ACP弾と.380ACP弾を使用するコルト社製と違い、FN社製はより強力な9mm×20 ブローニングロング弾(9mmパラベラム弾より長い)を使用し、スライドも長いサイズになっている。
作動方式はシンプルブローバック。ハンマーはスライドに内蔵されたデザイン。安全機構として、フレーム左側後部のマニュアルセイフティ(シアとスライドを固定する)と、グリップセイフティを備えている。フレーム右側にスライドストップ用の外装式レバーがあるが、リリースするには手動でスライドを操作する必要がある。グリップ底部にはマガジンリリースレバー。軍用モデルには、グリップ左下にランヤードリングが追加されている。
M1903は、銃身がフレームに固定されているので命中精度が高く、サイズのわりに軽量である。また、リボルバーが主流だった時代において素早いリロードが可能な銃ということもあり、ヨーロッパ各国の警察や軍で数多く使用された(ベルギー、スウェーデン、ドイツ帝国、イギリス。他にも、オスマン帝国やロシア帝国など)。ノルウェー軍とスウェーデン軍の制式拳銃トライアルの際には、FN社はM1903のサンプルを提出している。ノルウェー軍はコルト社のM1911を採用したが、スウェーデン軍はM1903を制式拳銃に選定し、1907年に10,000挺の発注を出している。"M1907"として制式採用された他、同国内のハスクバーナ社において1907〜1942年の間、ライセンス生産も行われた。他にも、ロシア帝国が発注したモデルには、ホルスター兼用ショルダーストック?が付けられている。
第一次世界大戦が勃発し、1914年のドイツ軍によるベルギー侵攻が始まると、FN社の工場は一旦閉鎖される。戦後の1920年代には、エストニアやパラグアイ、エルサルバドルなどへも輸出された。FN社では1927年に製造終了するまでに60,000挺、スウェーデンでは1942年にライセンス生産が終了するまでに94,000挺、合わせて154,000挺のM1903及びライセンス生産モデルが製造された。1930年代にはエストニアに渡った銃がスペインへ売却、また非正規生産され、スペイン内戦で使用された。第二次世界大戦後は、ヨーロッパ各国で使われた大量のM1903が民間へ払い下げられている。これらはアメリカへも輸出され、.380ACPモデルに改修され販売されていた。
登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
ディック・トレイシー | 映画 | ディック・トレイシー | − |
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