全長 | 銃身長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
165mm | 95mm (3.75in) | 600g | .32 ACP .380 ACP .45 ACP | 10+1 9+1 8+1 | アメリカ |
M1907は、アメリカのサベージ社が20世紀初頭に製造していた自動拳銃である。設計は銃器デザイナーのエルバート・サールによるもの。完成した日付「Nov. 21, 1905」が銃身上部に打刻されているので、誤って“M1905”と呼ばれることもある(製造が始まったのは1907年から)。
基本モデルの「M1907」は、.32ACPモデル(1907〜1920年)と.380ACPモデル(1913〜1920年)の2種類。他に、コッキングレバー(後述)を内臓とした*1「M1915」(1915〜1917年)と、グリップを大型化した「M1917」(1920〜1928年)が存在する。
銃身が回転することで薬室の開放・閉鎖を行うが、ショートリコイルのように銃身は後退せずディレードブローバックで作動する。撃発はストライカー方式で、ハンマーに見える部分はストライカーと連動したコッキングレバーである。フレーム左側後部にはマニュアルセイフティを備える。マガジンリリースレバーはグリップ底部にあるが、一般的なタイプとは違い、グリップ前方で弾倉を掴むタイプになっている。組み立てにはネジを一切使っていないので、分解作業が簡単に行えるという利点がある(ただし、M1917のみグリップパネル固定にネジを使用)。グリップパネルは初期は金属製だったが、後に樹脂製のものに変更されている。また、M1915のみグリップセイフティとスライドストップ機能(フレーム右側先端にリリースボタン)が追加されている。
分解の際には、スライド後部の尾栓(ブリーチブロック)を時計回りに90度回すことで、ボルトスリーブをスライドから引き抜くことができる。
アメリカ軍の制式拳銃トライアルの際には、.45ACP弾が使用できるようにサイズアップした試作モデルが開発された。この試作モデルは最終候補の2つに残ったが、採用を勝ち取ったのはコルト社のM1911であった。トライアルに負けた181挺の試作モデルはサベージ社に戻り、その後民間用として販売されている。
第一次世界大戦の際には、フランス政府が自国軍用として、M1907の.32ACPモデルを4万挺購入している。これには民間用と違い、ランヤードリングが追加されている。また、ポルトガルも1,150挺の銃を購入している。
M1907は、小型サイズでありながらダブルカラムマガジンに10発の弾薬を収められることから、「Ten shots quick!」を売り文句としていた。西部開拓時代のガンマンであるバッファロー・ビル(本名:ウィリアム・フレデリック・コディー)やバット・マスターソン(本名:ウィリアム・バークレイ・マスターソン)、ピンカートン探偵社などを広告塔に起用することで、大々的な宣伝を行っていた。また、当時のアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトにも本銃が寄贈されている。
登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
ボードウォーク・エンパイア 欲望の街 | TVドラマ | インクロッシィ | シーズン2・第2話 |
リチャード・ハロー | シーズン3・第11話 | ||
名探偵再登場 | 映画 | エズラ・デザイア | − |
ロード・トゥ・パーディション | 映画 | ハーラン・マグワイア | − |
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